(イメージ:YouTubeスクリーンショット)

 香港の警察当局は1日、中共ウイルス(新型コロナウイルス)を理由に、6月4日に行われる予定だった、「天安門事件」の追悼集会の開催を禁止すると発表しました。追悼集会が禁止されるのは、過去30年で初となります。アジアの金融センター香港の自治が後退するとの懸念が強まりそうです。

 また、香港・荔枝角留置所の前で3日、「天安門事件」を記念し、自発的なこ規模の追悼集会がありました。毎年、6月4日に開催されていた夜に蝋燭(ろうそく)を灯す集会は、例年多くの参加者が集まり、中国の管轄区域で唯一認められた大規模な「天安門事件」の追悼行事でした。昨年の追悼集会は特に大規模で、その後には、逃亡犯条例改正案をきっかけに香港市民らの抗議デモが市街各所に拡大しました。

 今年の追悼集会は、警察がコロナの高い感染リスクを踏まえ、市民の生命と健康に、「重大な脅威」になり得るとして、集会許可申請を却下しました。香港は、コロナの感染者数及び流行を概ね抑制し、ここ最近で、大半のバーやレストラン、映画館などが営業を再開しています。

 追悼集会の主催者らは、香港警察は集会を禁じるために、コロナを言い訳に用いていると非難しました。1990年から毎年、追悼集会を主催してきた団体の李卓人会長は、「政府が学校のほか、ケータリング、プール、カラオケなどのサービス業の再開を認めるのに、政治的集会を容認しない」と話しました。

 6月4日に、数万人がビクトリア公園に集まるこの追悼集会は、今まで、香港で毎年の恒例行事で、香港と中国本土との自由度の違いを鮮明にするイベントです。中国本土では、同行事に関するすべてのメディアが検閲されるだけではなく、「天安門事件」に関する正確な情報さえ閲覧できないのが現実です。