8月18日から19日にかけて、中国国内で建物の倒壊事故が2件相次いで発生しました。死者はあわせて5人、負傷者は22人にのぼります。

 1件目の事故が起きたのは、四川省長寧(ちょうねい)県硐底(ドンディー)鎮新堡(しんぽ)村です。8月18日午後5時30分ごろ、ある村民が自宅の庭先で、子どもの進学を祝う宴会を開いていました。当日は雨が降っており、主催者は庭に仮設のテントを張って雨をしのいでいました。たまった雨水の重みでテントを固定するロープが強く引っ張られ、一階の屋根の縁にあった低い壁、いわゆるパラペットが引き倒されました。この事故で3人がその場で死亡、2人が搬送先の病院で死亡が確認され、死者はあわせて5人となりました。ほかに17人が負傷し、現在も入院治療を受けています。

 ネット上に投稿された映像には、瓦礫と負傷者であふれ返る様子が映っています。倒れている人が何人もいて、負傷者を背負って運び出す人の姿もありました。周囲からは悲鳴が上がっていました。別の映像では、救急隊員が担架で1人の負傷者を運び出す様子が確認できます。胸に大量の出血の跡があり、かなりの重傷とみられます。

 宴会を開いた家の親族にあたる張(ちょう)さんは、取材に対し、負傷したのはほとんどが手伝いに来ていた近所の人や、食事に招かれていた人たちだったと説明しています。張さん自身は、当日は子牛の出産を手伝うため現場におらず、難を逃れました。ただ、彼女の姪も頭に怪我を負い、一時は危険な状態だったといいます。張さんによると、この家庭の暮らし向きは決して裕福ではなく、2人の子どもがそろって良い学校に合格したことを祝うつもりだったといいます。事故で家は住める状態ではなくなり、家族は今、近所の家に身を寄せています。

 これとほぼ時を同じくして、河北省石家荘(せきかそう)市でも集合住宅の倒壊が起きています。8月19日午前5時42分ごろ、新華(しんか)区大郭(だいかく)街道にある「鉄道55宿舎」という団地の建物1棟で、部分的な倒壊が発生しました。これまでに少なくとも5人の負傷が確認されていますが、いずれも軽傷で、河北省人民医院に搬送され治療を受けています。

 この団地は1980年代半ばに建てられたもので、全部で7棟、240世帯以上が暮らしています。住民の多くは鉄道関係の職員で、管理会社は入っていません。近隣住民によると、午前5時ごろに大きな音で目が覚め、外に出て確認したところ、7号棟が崩れていたといいます。住民が撮影した映像では、建物の3階と4階部分がそのままつぶれるように崩落し、2階の窓ガラスはすべて割れていました。衝撃である住戸では玄関と裏口、両方の防犯扉が吹き飛び、室内は一瞬で真っ暗になり、粉じんに包まれたということです。団地内の道路もがれきでふさがれ、現場では停電も発生していました。ある住民は、事故が起きる前は壁にひび割れも水漏れも見当たらず、外見上は何の異常もなかったと話しています。

 事故のあと、ネット上では、国内に数多く残る老朽化した建物への懸念や批判の声が相次いでいます。石家荘の住民からは、現在市内で老朽団地の取り壊しや改修が進められているのに、なぜこの建物が対象に含まれていなかったのかという疑問の声が上がっています。また、新華区の老朽団地の多くは1980年代の建築で、これまでの改修は外壁の塗装程度にとどまり、構造そのものの補強は行われてこなかったという指摘もあります。今回のような老朽化した建物が、いつ同じような事故を起こしてもおかしくないと不安視する声も見られます。

 実際、中国では近年、同様の集合住宅の倒壊事故が繰り返し起きています。2026年3月29日未明には、黒竜江省牡丹江(ぼたんこう)市海林(かいりん)市で商業ビル兼マンションが突然倒壊し、7人が死亡、2人が負傷しました。2024年5月27日には、安徽省銅陵(どうりょう)市の団地で、築わずか十数年の5階建て住宅の一角が、ほぼ1棟分に相当する範囲にわたって崩れ落ち、4人が死亡、1人が負傷しています。2023年11月19日には、江西省撫州(ぶしゅう)市にある1993年築の7階建て煉瓦造り住宅が、目立った自然災害の兆候もないまま突然崩壊しました。当局の発表では、人的被害はなかったとされています。そして2022年4月29日には、湖南省長沙市望城(ぼうじょう)区で、住居と飲食店、個人向けの上映スペースを兼ねた、住民が自分で建てた住宅が完全に崩れ落ち、54人が死亡、9人が負傷しました。近年の同種の事故の中では、最も被害が大きいものとなっています。

(翻訳・吉原木子)