8月18日夜、中国重慶市江北区で、ファンコミュニティ内の小さな衝突が、男性ネットユーザー、女性ファン、地元警察による三つ巴の乱闘へと発展しました。取り囲み、水の掛け合い、パトカーでの連行、ネット上の罵り合いがわずか3日間で繰り広げられ、一時は全国的なトレンド入りを果たしました。

 時代峰峻はTFBOYSや時代少年団を擁する中国の大手アイドル事務所です。江北区の重慶オフィス「長江国際」ビル前には練習生の出待ちファンが日常的に集まり、これまでも通行人や警備員との摩擦が絶えませんでした。

 ネットユーザーの事後の話によると、8月16日夜、ヘルメットの配達員がビル1階の店に水を買いに入ろうとし、練習生の出迎え用にあけられていた通路を通り抜けたところ、写真を撮り逃すと感じたファンともめたといいます。映像はなく伝聞のみですが、この話が男性ネットユーザーの加勢を呼ぶきっかけとなりました。「深夜に迷惑をかけるファンが配達員まで責めるのはおかしい」との声が「boys help boys」を合言葉に広がり、地元の男性が続々と集まりました。中にはこれを口実にライブ配信し、ファンを挑発する配信者もいました。腹を立てた女性ファンの一人が配信者に水を浴びせ、この様子を撮った動画がネットに拡散したことが、騒動の発端となりました。

 17日には映像がさらに拡散し、地元の男性たちが長江国際ビル前に集まり、現場はライブ配信をしながらの見物や撮影で溢れました。水をかけた女性ファンは身元を特定され、写真を売春斡旋の広告カード風に加工したものまでビル前でばら撒かれました。同日夜、両者は再び衝突して水を掛け合い、駆けつけた警察が男性1人をパトカーで連行しました。「警察が連行したのは男性だけだった」という場面はSNS上で拡散し、「対応が不公平だ」「女性びいきだ」との声が男性ネットユーザーの間で相次ぎ、あの配達員の話も男性側の正当性を裏づける証拠として引用されましたが、これも伝聞にとどまり、裏付けとなる映像は確認されていません。

 18日午後、長江国際ビル前の人数はさらに膨れ上がり、多くは怒りを抱いて駆けつけた人たちでした。映像には、集団でスローガンを叫び、特定の色合いを帯びた歌を歌い、女性ファンたちを取り囲んで暴言を浴びせる男性たちの姿が写っています。地元警察は道路を交通規制して数人を連行し、現場のライブ配信アカウントも次々と打ち切られました。群衆が解散した後、警察は撮影者にスマートフォン内の写真や動画を削除するよう求めたといいます。

 奇妙なことに、これほどの規模にまで騒ぎが拡大した後、関連する話題や映像は中国のSNS上で急速に見えにくくなっていきました。以前は出回っていたはずのオリジナル映像や議論の投稿の多くが、今ではほとんど検索しても見つからなくなっています。

(翻訳・吉原木子)