今年の台風第13号は8月9日、浙江省に2度上陸しました。午後5時30分ごろ、台風の中心は浙江省台州市玉環市の坎門地区に上陸し、上陸時の中心付近の最大風速は秒速約42メートルに達し、中心気圧は945ヘクトパスカルでした。その後、台風は引き続き西へ進み、約70分後の午後6時40分ごろ、中心は浙江省温州市楽清市の翁垟地区の沿岸部に再上陸しました。再上陸時の中心付近の最大風速は秒速約38メートル、中心気圧は950ヘクトパスカルでした。

 上陸を前に、温州市から台州市にかけての道路では暴風雨が吹き荒れました。道路両脇の街路樹はなぎ倒されて枝葉が散乱し、農業用のビニールハウスも吹き飛ばされました。路上には通行人の姿はほとんどなく、通り過ぎる車もまばらで、風雨をしのぐためにトンネル内に車を停める運転手も多く見られました。地元住民は「7月11日にも台風第9号が上陸しましたが、それに比べても今回の風雨は明らかに激しく、立っていることすら困難でまともに歩けません」と話しました。気象専門家の分析でもこの体感は裏付けられており、今回の台風13号は全体的な規模も上陸時の勢力も、前回の台風をやや上回っているとのことです。

 この台風の特異な点は、2度上陸したことだけではありません。気象当局によると、台風13号は1951年以降に中国に上陸した台風の中で、最も東で発生し、最も長い距離を移動した台風です。また、日付変更線付近で発生し、台風の勢力を保ったまま中国に上陸した観測史上初のケースでもあります。7月27日に日付変更線の西側で発生して以来、上陸前の移動距離は6000キロを超え、通常の台風の3倍以上にあたる15日以上も勢力を維持しました。発生後48時間以内に急速に発達して猛烈な台風となり、風速15メートル以上の強風域の半径は420キロから450キロ、台風全体の直径は約1300キロ、雲の広がりは100万平方キロメートルを超え、中国東部全体を覆うほどの巨大な規模となりました。

 台風の上陸に先立ち、上海市内はすでに豪雨による冠水に見舞われていました。8月9日、上海市では広範囲で大雨となり、局地的に猛烈な雨が降りました。市内の100か所以上の道路で冠水が発生し、当局は最高レベルの気象警報を発令しました。これにより、上海ディズニーリゾートは同日夜8時に繰り上げ閉園となり、ディズニータウンも夜9時に営業を終了しました。さらに市内の長距離バスの運行が全面停止され、バスターミナルも一時閉鎖されました。上海市で豪雨による冠水被害が起きたのは、これが初めてではありません。今年7月、同市で世界人工知能大会(WAIC)が開催された際にも、突発的な豪雨により複数の道路が冠水し、車両が立ち往生して大きな関心を集めました。さらにさかのぼると、2013年の台風による大雨などでも深刻な冠水被害が発生しており、都市の排水システムの対応能力についてたびたび議論が交わされてきました。

 海上の状況にも警戒が呼びかけられています。国家海洋予報台は8月9日、波浪および高潮に対する最高レベルの警報を継続して発表しました。9日午後から10日午後にかけて、東シナ海では7メートルから12メートルの猛烈な波が、浙江省の沿岸海域では5メートルから8メートルの非常に高い波が予想されています。同時に、水利部と中国気象局も9日午後6時、土砂災害や鉄砲水に関する気象警報を共同で発表しました。9日夜から10日夜にかけて、浙江省の大部分、安徽省の南部および西部の一部地域で災害が発生する可能性が高く、浙江省の東部および南部の一部地域ではその危険性がさらに高まると予測されています。

 気象専門家は、強風、豪雨、そして大潮がほぼ同時刻に同じ沿岸地域で重なる極端な状況に、警戒を呼びかけています。風、雨、潮はそれぞれ単独でも大きな脅威となりますが、これらが重なると被害の規模は幾何級数的に拡大します。暴風は直接的な破壊をもたらし、豪雨は水害の危険性を急激に高め、大潮による潮位の上昇は排水を妨げて海水の逆流リスクを高めます。この3つの要素が重なる状況は、沿海地域の台風対策において特に警戒すべき事態の一つとされています。

 上陸後も、台風本体による降雨は依然として強い状態が続いています。台風の中心が西へ移動するのに伴い、浙江省の温州市から台州市にかけての地域ではすでに激しい雨が降っています。台風全体の構造は非対称で、北部および東部の雨雲がより発達しているため、今後台風がさらに西へ進むにつれて後方の雨雲による影響が顕著になり、上海市や江蘇省南部でも継続的に雨の影響を受けるとみられています。

 台風は上陸後も引き続き内陸へ向かって進み、勢力は次第に弱まる見込みです。湖北省内で熱帯低気圧に変わるか消滅する可能性がある一方で、江西省、湖北省、安徽省の境界付近で一時的に停滞し、現地に風雨をもたらし続ける可能性もあります。その後、台風から変わった低気圧は引き続き北上し、北方の気圧の谷などと重なって、8月11日から12日にかけて北京、天津、河北省周辺にまとまった雨を降らせると予測されています。河北省中南部、北京、天津などでは大雨となり、一部地域や河北省南部の局地的な範囲では猛烈な雨となるおそれがあります。その後も低気圧の北上に伴って、遼寧省や山東省北部などで激しい雨が降る可能性があります。

 専門家は、浙江省の大部分や安徽省南部などの山間部において、豪雨による二次的な土砂災害などに特別な警戒を呼びかけています。

(翻訳・吉原木子)