最近、X(旧ツイッター)のブロガー「羅翔――破幕推牆」が自身のプロフィールページに数枚の3D地図を掲載し、これらは中国共産党の水利部と国防部から流出した「三峡ダムの瞬間決壊シミュレーション図」であると主張した。この図は、水没範囲、洪水の流速、被災者数、交通遮断という4つの側面を網羅しており、万が一ダムが決壊した場合、長江中・下流域がどのような災害状況に陥るかを示しているという。
情報漏洩に中国共産党幹部が激怒
7月21日、中国共産党中央規律検査委員会のウェブサイトは、三峡集団広西支社の呉啓仁総経理が重大な規律違反および違法行為の疑いがあり、現在調査を受けていると報じた。内部関係者によると、呉氏が調査のために連行されたのは、私的な会食の席で広西の洪水被害の惨状や三峡ダム建設の内部事情を繰り返し漏らしていたためだという。
この内部情報によると、広西チワン族自治区横州での洪水被害について、当局は死者数を39人と発表しているが、実際の死者数はこれをはるかに上回っているという。また、三峡ダムの底部では現在、複数の箇所で浸水が見られ、一部の区間では漏水状況がすでに深刻化しており、「ダムの決壊は時間の問題だ」としている。さらに、指導部は家族を連れて「他地域での研修・視察」を名目に避難しており、現場の職員にはその場で死守するよう指示が出されているという。
ブロガーの「羅翔」氏はその後、最新の情報が入ったとして、「前回の情報漏洩事件で、中国共産党の上層部が激怒し、水力発電システムの粛清を開始した。会長や各地のトップ幹部はすでに拘束されている」と述べた。これに対し、あるネットユーザーは「共産党が『情報漏洩者』を慌てて処分していることは、三峡ダムに確かに隠れた問題があることの裏付けであり、新型コロナの内部告発者である李文亮氏に続き、三峡ダムの内部告発者も現れた」とコメントした。
「三峡ダムの瞬間決壊シミュレーション図」の具体的な内容
「羅翔」がXに投稿した報告書の詳細の一部によると、同報告書は流体力学、地理情報システム、および社会的脆弱性評価手法を融合させたものであり、いわゆる「極限ストレステスト報告書」の一種である。
報告書ではまず、二次元浅水流モデルを用いて「洪水流速シミュレーション図」を作成した。ダム下流の宜昌では、ダム決壊から6時間後に「高さ100メートルの水の壁」が時速70キロメートルの速さで押し寄せ、その激しい流速はブルドーザーのように長江沿いの建物を平らにしてしまうほどである。その後、洪水のピークは24時間以内に武漢を直撃し、最終的に7日目に長江の河口に到達する。
これを踏まえ、報告書にはさらに「1週間後の被災地の浸水範囲地図」も掲載されていた。それによると宜昌は短期間のうちに数メートルの深さの洪水に飲み込まれる見込みである。人口1000万人を擁する武漢の「両江四岸」は深刻な浸水に見舞われる。洪水ピークが上海および長江デルタに到達した際、満潮と重なり、黄浦江や蘇州河などの支流で水位が堤防を越えて決壊し、上海は広範囲にわたる都市機能の麻痺に直面することになる。
「被災人口のヒートマップ」では、水深に基づき被災地域を「深刻」「中程度」「軽度」の3段階に分類している。報告書によると、長江沿線では数十の大中規模都市、計1億人以上が被災すると推定されており、水深が深い地域では1階部分の住宅が完全に水没する可能性があり、地下鉄や地下ショッピングモールなどの施設も瞬く間に浸水する見込みである。
一方、「交通遮断マップ」は、72時間以内に交通システムが完全に麻痺するシナリオを想定している。長江中・下流の平野部は南北物流にとって不可欠なルートであり、この交通網が一旦寸断されれば、多数の高速道路、国道・省道、および主要鉄道幹線が遮断され、救援隊でさえ陸路で被災地へ進入することが困難になる。ダムの決壊後1週間以内に、中国経済は機能停止に陥る恐れがある。
なぜ今、三峡の水運新ルートを建設するのか
6月8日、湖北省宜昌市で三峡水運新水路の工事が正式に着工した。総投資額は772億元を超え、1万5000人の住民移転を伴う。新航路は三峡の左岸に選定され、山体を直接切り開いて6.68キロメートルの全く新しい航路が造成される。工事による総土石量は約1億6000万立方メートルに上り、これは三峡プロジェクト自体の掘削量を上回る規模である。国営メディアはこれを、長江に再構築される「超大動脈」と表現している。
注目すべきは、このタイミングが前述のダム決壊の噂とほぼ同時に現れたことだ。メディア関係者の石涛氏はこれについて、「これは中国共産党内部が三峡ダムに決壊のリスクがあることをすでに認識しており、新たな水路の建設によって水流を分散させ、圧力を軽減することで、その場しのぎの対策をとろうとしていることを意味するのではないか」と論評した。現時点では、この推測を裏付ける公式な発表はない。
「手抜き工事」が、欠陥を抱えたまま『延命』するダム
インターネット上で広まっている三峡ダムの決壊懸念は、決して根拠のないものではない。2002年から2003年にかけて、ダムの第1期・第2期工事が完成し、試験貯水を控えていた時期に、当時三峡プロジェクト専門家グループのリーダーを務めていた潘家錚氏は、ダム表面に80本以上の温度ひび割れが生じていることを公に認めていた。当局は「構造を貫通する亀裂ではない」とし、貯水前に化学グラウトによる補修を済ませたと説明しているが、水利の専門家は、コンクリートダムの微細な亀裂が長年にわたる高圧水流の浸食を受けると、水圧破砕が発生して徐々に拡大し、最終的にはダム決壊のリスクが高まる可能性があると指摘している。
さらに、三峡ダム建設期間中には汚職スキャンダルが度々発覚し、鉄筋の規格偽装やセメントの品質不良から、水門の鋼材の溶接欠陥に至るまで、さまざまな問題が指摘された。故・水利専門家の張光斗氏も生前、三峡ダムの工事品質に潜在的なリスクがあることを痛切に訴える書簡を中央政府に何度も提出していた。
2011年、中国国務院は『三峡後続事業計画』を可決した。報告書では、三峡プロジェクトが移住者の再定住、環境保護、地質災害の防止などの面で「早急に解決すべき問題」を抱えていることを、比較的異例な形で認め、長江中・下流の航運や水供給に、取り返しのつかない悪影響を及ぼしたと指摘した。三峡プロジェクトの本体は2009年に全面的に完成していたものの、全体的な竣工検査は11年間延期され、2020年11月1日になってようやく、国家発展改革委員会と水利部が共同で簡潔な公告を発表し、竣工検査の全手続きが完了したことを明らかにした。
清華大学水利学部の黄万里教授の予言が的中した
30年も前に、清華大学水利学部の黄万里教授は、三峡ダム建設は不適切であると痛切に訴え、この事業が中華民族に長期的なリスクをもたらすと断言する上奏書を3度にわたり中央政府に提出していた。今日に至り、長江下流の本流における堤防の崩壊、航行の阻害、多数の移住者の生計の困窮といった状況は、彼の予言と多くの点で一致している。
黄万里氏は当時、ダムによる貯水後、上流から流れてくる土砂が重慶区間に堆積し、重慶港の航運を脅かすと指摘していた。現在、重慶港周辺の土砂堆積は長年にわたり人手による浚渫に頼っており、これに伴う上流での逆流問題はこれまで何度も重慶での洪水を引き起こしてきた。さらに、水質の変化、貯水池地域の異常気象、微小地震の頻発、地滑りなどの現象も繰り返し指摘されている。三峡ダムが秋に貯水・発電を行うため、下流の鄱陽湖や洞庭湖は豊水期にもかかわらず干上がって底が見えるほどになり、生態系に負担がかかっている。これに対し、当局は2021年に「長江10年禁漁」政策を打ち出した。
ネット上で出回っている「ダム決壊のシミュレーション図」が事実であるならば、それは体制内の人物が一般市民に向けて発した警告である。黄万里教授が生前に残した最後の予言は、ダムはいずれ処分を迫られるというものだった。この潜在的なリスクが最終的にどのような結末を迎えるのかは、現時点では依然として未知数である。
(翻訳・文遠)

