7月26日午前3時50分頃、今年第12号の台風が強い勢力(中心付近の最大風速約45メートル)を保ったまま、広東省恵州市恵東県平海鎮の沿岸に上陸しました。台風の到来に伴い、広東省の各地で暴風雨に見舞われ、地元住民の生活や財産に甚大な被害をもたらしています。被災現場の惨状は目を覆うばかりです。
上陸地である恵州市では、暴風と豪雨が猛烈な勢いで市街地を吹き抜け、街路樹が根こそぎ倒され、沿道の看板が傾き、街灯やバスケットゴールがなぎ倒されるなど、辺り一面が荒れ果てた状態になりました。多くの住民が不安で眠れない夜を過ごし、ネット上では「高層マンションに住んでいても窓のサッシから雨水が吹き込み、家族総出で夜通し洗面器で水を受けた。まるで悪夢を見ているようだった」と嘆く声も聞かれます。
こうした暴風は、沿岸部の沖合養殖場にも壊滅的な打撃を与えました。台風による高波が養殖用の網いけすを引き裂いて枠組みを破壊したため、出荷間近だった大量のマルコバン(マナガツオの一種)が逃げ出し、波に流されて砂浜に打ち上げられました。26日早朝、銀色に光る魚で埋め尽くされた砂浜の様子を聞きつけた多くの市民が駆けつけ、バケツや収納ボックスを手にしたり、中には車を直接乗り入れて魚を持ち帰ったりする姿が見られました。ある市民は「50キロ以上拾いました。珍しい光景で興奮しました」と語っています。しかし、この一見すると自然の恵みのような出来事は、養殖業者にとっては深刻な死活問題です。数ヶ月にわたる稚魚の育成や餌やりの苦労が一度の台風で全て水の泡となり、1戸あたりの被害額は数十万円から数百万円規模に上るとも言われています。SNS上では「これは恵みなどではなく、養殖業者の大損害だ。泣くに泣けないだろう」と同情する声が多く寄せられています。
沿岸部が高波と暴風にさらされる一方で、内陸の都市部でも強風による信じがたい事故が起きています。25日午後、台風の強風域に入った深セン市では突風が吹き荒れ、龍崗区にあるコンビニエンスストアのドアが勢いよく開きました。その際、店内のベビーベッドに座っていた6歳の女の子が、ベッドごと店の外に巻き上げられ、植え込みに激しく投げ出されるという非常に危険な事態が発生しました。その後、ベビーベッドは強風でどこかへ吹き飛ばされています。不幸中の幸いにも、女の子は豪雨の中で自ら起き上がり、泣きながら店内に走り戻ったため怪我はありませんでしたが、この防犯カメラの映像を見た多くの人が強い恐怖を覚えました。
暴風が過ぎ去った後、今度は長時間の記録的豪雨が続きました。台風12号はその後熱帯低気圧に変わり、内陸部へ向かって進みましたが、広東省中東部および南部沿岸にもたらされた雨量は甚大な被害を引き起こしました。掲陽市、汕尾市、河源市、梅州市などで記録的な豪雨に見舞われ、一部の地域では25日からの累積降水量が600ミリを超えています。この影響により、26日午後までに広東省全域の11の河川、13の水位観測所で警戒水位を超えました。
河川の水位の急激な上昇に伴い、恵州市、掲陽市、汕頭市、汕尾市などの多くの地域で深刻な浸水被害が発生し、道路がまるで川のようになりました。掲陽市の普寧市では被害が特に深刻で、濁流が村に流れ込み、低地の住宅街や店舗、駐車していた車が次々と水没しました。ある被災者は水に浸かった家財道具を見つめながら、「何もかもなくなってしまった」と肩を落としています。普寧市大坪鎮の住民によると、果樹が折られて流されただけでなく、村内で土砂崩れが発生し、一部の家屋が損壊したということです。事前に警報は出ていたものの、水の勢いが予想を遥かに超えており、多くの人が店内の物資を安全な場所へ移動させる余裕すらありませんでした。さらに痛ましいことに、後渓郷では60代の女性1人が洪水に流され、現在も行方不明となっています。
台風が接近する前に、広東省ではすでに71万人以上の住民が緊急避難を済ませていたものの、急激な増水により、依然として多くの人が自宅に取り残されました。1階部分が水没し、水面に様々な品物が浮遊する様子をなす術もなく見つめるしかない状況が各地で報告されています。現在までのところ、地元当局は死傷者数を含む具体的な被害状況の詳細をまだ発表していません。甚大な被害を受けた被災地や全財産を失った養殖業者を前に、現地のネットユーザーからは、「災害時に必要なのは事態を良く見せることではなく、正確な警報と透明性のある情報公開、そして迅速な救助活動である」といった、当局の誠実な対応を求める切実な声が上がっています。
(翻訳・吉原木子)
