元ホワイトハウス首席戦略官兼上級顧問スのティーブ‧バノン氏(Wikimedia Commons/Elekes Andor / CC BY-SA

 元ホワイトハウス首席戦略官兼上級顧問のスティーブ‧バノン氏は4月25日、テレビの番組「Watters’ World」のインタビューに応じ、中国共産党は武漢肺炎の世界的な伝染に責任を負うべきだと指摘した。米フォックス‧ニュースが4月26日に報じた。

 バノン氏は、武漢肺炎が流行する初期的段階で中国共産党は透明性に欠けていたため、現在米国と中国共産党政権は敵対状態にある、と述べた。「私たちはこの戦いに備えなければならない。これは自由を勝ち取るための戦いだ」「これだけは覚えてほしい。中国国民は罪のない被害者だ」とも述べた。

 中国共産党政権について、バノン氏は「全体主義政権であり、1930年代のナチス政権のように残忍であり、冷酷であり、野蛮である」と述べたうえで、中国共産党は感染の拡大を正確に対処しなければならず、感染の拡散に責任を持つべきだと指摘した。

 バノン氏は、中国共産党が武漢肺炎の起源に関する重要な事実を隠していると批判した。「中国共産党は昨年12月下旬に(ウイルスが)ヒトからヒトへ感染したことを知っており、地域社会でも感染が拡大していた。しかし中国共産党は真実を覆い隠し、世界保健機関(WHO)にも真実を隠した。そしてWHOは非常に悪い対応をした」と述べた。

 バノン氏によると、中国共産党はウイルスがヒトからヒトへの感染することをすでに知っているはずなのに、WHOは1月14日、「高級医療官僚や北京当局との協議を経て、(中国大陸で)ヒトからヒトへの感染は確認できていない」とのツイートした。

 こうした隠蔽があるにも関わらず、劉曉明駐英大使は、北京当局の武漢肺炎に対する処置は「透明的、開放的」であり、「非常に迅速」だったと述べている。

 バノン氏は次のように指摘した。「世界中の医療従事者防護資源装備(Personal protective equipment, PEE)が不足している状況で、中国共産党は人を派遣して『世界中を旅して、すべての個人防護装備を購入させた。』(世界各国が)これらの装備を必要としていることを知っていて、これらの物資を使って他国に対抗しようとしているのです。」

 台湾の『自由時報』は4月27日、バノン氏がインタビューで、「私たちは情報‧経済戦争をしている」と話していると報じた。バノン氏は、今回の武漢肺炎の大流行は全世界が中国共産党から脱却するのチャンスである、と述べた。「これはこの世代の運命への呼びかけです。我々はこのような挑戦に直面し、それに打ち勝たなければならない。」

 バノン氏は民衆が自由のために戦い、中国国民の自由を勝ち取り、北京当局が構築した「グレート‧ファイアウォール」を破るよう呼びかけた。中国国民が真の自由を獲得すれば、彼らは中国共産党という全体主義的政権を崩壊させ、世界を新たな繁栄と平和の時期へと推し進めることができるのだ。

(翻訳・柳生和樹)