7月17日の午前中、中国・四川省成都市の幹線道路上で、多重事故が発生しました。当時、前方の車両が渋滞のため徐行していたところ、後方からきた白い乗用車が猛スピードで前方車両2台に激突しました。この強い衝撃により、追突された1台の車体後部から瞬く間に火の手が上がり、わずか数十秒で炎が車全体を包み込みました。路面には黒煙が立ち込め、燃えた油や車の破片が散乱する事態となりました。一方、事故を起こした白い乗用車はコントロールを失って車線を飛び出し、道路中央の緑地帯で横転しました。
この事故の一部始終は後続車のドライブレコーダーに記録されており、その映像がインターネット上に拡散されました。映像を見た人々からは、事故を起こした車の異常なスピードや、追突された車が一瞬にして爆発・炎上した現場がいかに衝撃的であったかを語る声が上がっています。
事故発生直後、近くにいた市民が協力して救助にあたり、その後駆けつけた警察や消防によって火は消し止められました。現地のメディア報道によりますと、巻き込まれた3台の車はいずれも損傷を受けたとのことです。出火した車両の運転手は、衝突による電源喪失でドアがロックされ開かなくなったため、間一髪で窓から這い出して脱出しました。この事故による死者はなく、複数の負傷者が病院に搬送されましたが、命に別状はないと伝えられています。現在、警察は監視カメラなどの映像を証拠として収集し、事故の詳しい原因について調査を進めています。また、出火した車両はプラグインハイブリッド車であったため、火災の直接的な原因がバッテリーによるものか、あるいは燃料系統によるものかについても今後の確認が待たれています。
今回の事故では人的被害は最小限に抑えられましたが、追突から瞬時に炎上する映像は、多くの人々に衝撃を与えました。インターネット上では、電気自動車をはじめとする新エネルギー車の安全性に対して疑問の声が上がっています。特に、衝突に伴う電源喪失でドアが開かなくなり、車内に閉じ込められるという事態は、過去にも繰り返されてきたからです。
実際に中国国内では、新エネルギー車が衝突後に瞬時に出火し、死傷者を出す事故が相次いでいます。直近では本年6月16日、雲南省の高速道路で中国製の新エネルギー車が激しい衝突事故を起こし、車体が真っ二つに割れて炎上する事態が発生しました。SNS上で共有された映像や関係者の話によりますと、数秒で爆発・炎上する中、ドアを開けることができず車内の乗員の退路が断たれ、3人が死亡したとみられています。ただし、この事故に関しては車種の特定や正確な死傷者数についての公式な発表は出されておらず、事実関係の確認が難しい部分も残されています。
衝突後の電源喪失によってドアに収納されたまま引き出せなくなる格納式ドアハンドルは、新エネルギー車の事故においてたびたび救助の妨げとなっています。昨年10月13日の未明にも、成都市内で同様の事故が起きています。シャオミ製の車両「SU7 Ultra」がコントロールを失って対向車線に突っ込み炎上しました。後の警察の調査により、この事故は運転手の飲酒運転と、時速160キロを超える大幅な速度超過が主な原因であったことが判明しています。しかし、衝突によって低電圧システムが断線し、格納式ドアハンドルが作動しなくなっていたことも事実です。通行人が懸命に救助しようとしたものの、外部からドアを開けることができず、最終的に運転手は車内で命を落としました。
同様の事態は、昨年3月29日の夜、安徽省の高速道路でも起きています。シャオミ「SU7」がスマート運転支援システムを作動させて走行中、運転手が手動操作に切り替えた直後にコントロールを失い、ガードレールに激突してバッテリーが爆発し炎上しました。この時も車のドアが自動的にロックされてしまったため、乗っていた3人の若い女性全員が死亡しました。事故後、犠牲者の一人の母親とみられるユーザーは、事故発生後1時間も車が燃え続けていたことや、ドアがロックされたために逃げ遅れたことへのやるせない思いをインターネット上に綴っています。
このような事故が相次ぐ中、新エネルギー車の技術的な安全性に対して深刻な疑問を抱く人が増えています。各種SNSでは、従来のガソリン車でも重大な事故は起きるものの、衝突すればすぐに出火し、しかもドアが開かなくなるといった事態は稀であり、乗っていて不安を感じるといった意見が多く見受けられます。運転手の過失や運転支援システムの誤操作といった要因があるにせよ、バッテリーの熱暴走と衝突後の脱出メカニズムをいかに根本から解決するかが、新エネルギー車業界全体にとって避けては通れない重大な課題として浮き彫りになっています。
(翻訳・吉原木子)
