中国で後を絶たない手抜き工事問題が、再び世間を驚かせる形で明るみに出ました。このほど、山東省の済維高速道路沿いで、総工費約71億円(3億元)の国家重点プロジェクトの土台が、素手で簡単に壊せる状態だったことが発覚しました。コンクリートは瞬時に砕けて崩れ、内部には大量の砕石が詰め込まれ、表面だけを薄いセメントモルタルで覆っていたのです。

 「北斗高精度重大新インフラスマート監視システム」と呼ばれるこのプロジェクトは、こうして最も不名誉な形で世間の注目を浴びることとなり、関連ワードは瞬く間に百度(バイドゥ)の検索トレンド(熱搜)で1位に急上昇しました。

 『頂端新聞』によると、告発者の劉さんは工事現場で目を疑う光景を目撃しました。土台のコンクリートは手で折るだけで崩れ、ハンマーで軽く叩くだけで粉状に砕けました。さらに驚くべきことに、一部の土台内部には大きな砕石が詰め込まれ、その上を薄いセメントモルタルで覆っていただけでした。検査の結果、コンクリートの強度は基準を大きく下回っており、内部に鉄筋はなく、砕石が積み上げられているだけだったといいます。これは単なる手抜き工事ではなく、組織的な不正そのものです。

 このプロジェクトは中国国家発展改革委員会が承認した国家重点事業で、総投資額は約71億円(3億元)、うち約10億円(4500万元)は中央政府の予算から拠出されていました。計画では約5000台の北斗高精度監視装置を設置し、山東省内外の複数の高速道路沿線に配備することになっていました。主な役割は土砂崩れの監視や交通インフラの安全警報です。

 施工を担当したのは山東高速信息集団で、世界500強企業である山東高速集団の子会社です。山東高速集団の総資産は約43兆円(1.8兆元)に達し、管理する高速道路の総延長は9240キロを超えています。そのような巨大国有企業が施工した土台が、手で簡単に崩れてしまったのです。

 問題発覚後、山東高速信息集団の関係者は6月12日、「5000台の設備は段階的に施工しており、その中には品質基準を満たさないものもあった。しかし検収前には必ず検査を行い、問題を発見して是正し、最終的には基準を満たす状態にする」と説明しました。

 しかし、翌日、記者が現地を訪れて確認したところ、同社が「改善済み」と説明した場所でも状況はほとんど変わっていませんでした。撤去された土台の跡地は一見平らに整備されていましたが、記者がハンマーで軽く叩くとコンクリートはすぐにひび割れ、崩れ落ちました。落ちたコンクリート片は手で簡単に砕け、5月に確認された劣悪な状態とほぼ同じだったといいます。いわゆる改善とは、場所を変えて表面を塗り直しただけだったのです。報道では、「土砂崩れを監視する設備なのに、その土台のほうが先に崩れている」と皮肉られました。

 その背後には、すでに常態化した悪循環があります。告発されれば一部だけ修正し、少し時間が経てば再び同じ問題が繰り返されるのです。何度もやり直し工事を行い、そのたびに表面だけを取り繕っているのです。その結果、失われるのは国家の財政資金であり、本来一度で完成しているはずの工事品質です。約71億円は砕石の詰め合わせに変わり、約10億円の中央予算は表面を塗るためのモルタルに変わりました。5000台の監視設備は、5000か所の安全リスクへと変わったのです。

 事件が報じられると、中国のネットユーザーから怒りの声が相次ぎました。
 「発注側も受注側も下請けも全部調べるべきだ。71億円もの金がこんな簡単に手に入るのか。その裏でどれだけの汚職官僚が利益を得たのか徹底的に調査しろ」
 「工事は何重にも下請けに出され、管理も監督もない。発注者や監理会社はリベートを受け取り、最後に残るのは欠陥工事だ。国家レベルの制度改革が必要だ」
 「安定した施工チームは存在せず、現場は寄せ集めの臨時作業員ばかり。何重もの下請け構造で利益が中間業者に吸い取られ、最後に工事を行う会社には十分な資金が残らない」

 今回の不祥事が特に衝撃的なのは、その背景にあります。施工したのは世界500強企業傘下の国有企業であり、プロジェクトは国家発展改革委員会が直接承認した重点事業でした。それにもかかわらず、これほど深刻な品質問題が発生したのです。もはや技術力不足では説明できません。本質的な問題は利益優先による意図的な不正にあります。きちんと施工する能力がありながら、あえてそうしなかったということです。

 多重下請け構造という長年の問題によって、各段階で利益が抜き取られています。監理は形骸化し、工程管理は機能せず、検収制度も形骸化し、欠陥工事が堂々と通過してしまうのです。本来は公共の安全を守るために使われるべき財政資金が、利益関係者の懐に流れ込み、残されたのは見た目だけ整った危険な欠陥施設でした。

 中国ではこれまでも、国家重点事業が「手抜き工事」ではないかと疑われる事例が後を絶ちません。

 2026年2月2日には、江蘇省塩城市で建設中の橋が崩落する事故が発生しました。中国中鉄十二局が施工していた連申線月港大橋で、工事終盤にアーチ橋の部材が突然崩落し、10人が死亡しました。

 2025年11月末には、国家第14次五カ年計画の重点事業である福建省永安揚水発電所で重大な品質問題が発覚しました。『経済参考報』の調査によると、ダム斜面の補強に使われる数百本のアンカー杭の施工長さが大幅に不足しており、一部は設計基準の3分の1にも達していませんでした。さらに多くのアンカー杭では、規定通りのセメント注入が行われず、検査をごまかすために杭の入口だけを簡単に塞いでいたことも判明しました。調査では、入札設計、地質調査、土木工事、監理、設備設置など主要な工区を中国電建グループ傘下企業が独占的に受注していたことも明らかになり、利益誘導の疑いが指摘されました。その後、中国国家能源局福建監管弁公室は調査結果を公表し、手抜き工事の事実をほぼ認定しました。また右岸ダム斜面では、極端な条件下で約1000立方メートルの崩落が発生する可能性があると警告しています。

 2025年8月22日午前3時1分、中国中鉄大橋局第七工程有限公司が施工していた西寧・成都鉄道(西成鉄道)の尖扎黄河特大橋建設現場で大規模な崩落事故が発生し、13人が死亡、3人が行方不明となりました。直接的な経済損失は約1億250万円(4886万元)に上るとされています。当局が公表した調査結果によると、事故の直接原因は橋梁の接合部に使用された低品質のボルトでした。このボルトの耐荷重性能は国家基準と比べて全体的に約41%低下していたといいます。問題のボルトは総額わずか約40万円(1.9万元)で購入されたもので、品質保証書すら付いていませんでした。それにもかかわらず、調達から検査、受け入れに至るまで、いずれの段階でも問題が発見されることはありませんでした。

(翻訳・藍彧)