音楽を聴きながら寝るためにイヤホンをつけたまま就寝する人は少なくありません。しかし、そんな習慣に警鐘を鳴らす出来事が起きました。中国でこのほど、男子学生がイヤホンをつけたまま寝ていたところ、イヤホンが耳の中で突然爆発し、耳が真っ赤に焼けただれる事故が発生しました。
6月10日、河南省在住のブロガーがSNSに動画を投稿し、「寝ながらイヤホンをつけていたら、耳の中でそのまま爆発した」と明かしました。当事者の孫さんは中国メディアの取材に対し、次のように説明しています。「夜中の1時過ぎ、このイヤホンで動画を見ていました。1時間ほど使っていたら、突然爆発したんです。耳に焼けるような痛みを感じました」。その後、病院で検査を受けた結果、鼓膜に損傷はなく、聴力も正常だったものの、耳は真っ赤に焼けていたといいます。
孫さんによると、このイヤホンは販売数がすでに100万台を超えており、価格は約1300円(60~70元)で、大手ECサイトでも広く販売されている商品でした。本人も「まさか爆発するとは思わなかった」と語っています。
この出来事はネット上で注目を集めました。
「イヤホンが爆発するなんて初めて聞いた。怖すぎる」
「重度のイヤホン依存症の自分には本当に衝撃」
「やめてくれよ。寝るときに音楽を聴かないと眠れないんだ」
「毎晩イヤホンで音楽を聴きながら寝るのが習慣になっていて、聴かないと寝つけない」
「ワイヤレスイヤホンは高級そうに見えるけど、実際は発火する可能性のあるリチウム電池を耳の中に入れているようなもの。決して安全とは言えない」
「今イヤホン工場で働いているけど、本音を言えば、少し高くても品質の良いものを買ったほうがいい。それと黒いイヤホンは買わないほうがいい」
「寝るときにイヤホンをつける習慣はあまり良くない」
「聴力の低下は元に戻らない。特に寝ている間は耳がより敏感になる」
「どんなメーカーのイヤホンでも長時間の使用は避けたほうがいい。聴力低下だけでなく、突発性難聴や耳鳴りの原因になることもあり、多くは完治が難しい」
「私は10年間イヤホンを使い続けてきたけれど、みんなには勧めない。今では中耳炎も治らず、聴力もかなり落ちてしまった」
近年、中国本土で生産・販売されている多くの電子製品において、何の前触れもなく発火・爆発する事故がたびたび報じられています。子ども用スマートウォッチ、モバイルバッテリー、電動自転車など、被害者は幼い子どもから大人まで幅広く及んでいます。
2021年6月、福建省泉州市で4歳の女児が身につけていた子ども用スマートウォッチが、祖母の家で遊んでいた最中に突然発火しました。祖母は「ボン」という音を聞いて部屋へ駆け込んだところ、室内に大量の煙と焦げた臭いが立ち込めていました。驚いた女児は泣き出し、祖母が腕時計を外したところ、左手の甲の皮膚が深刻なやけどを負っていました。病院では皮膚移植が必要なほどの重いやけどと診断されました。女児の父親は、自然発火した際の温度について「まるで溶接で発生する数百度の高温のようだった」と振り返っています。
子ども用スマートウォッチの発火事故はこれが初めてではありません。2019年11月には、広東省江門市でも小学生が装着していたスマートウォッチが突然煙を上げて発火し、手首をやけどする事故が起きています。専門家によると、スマートウォッチの発火メカニズムはスマートフォンと似ており、主な原因として、バッテリーのショート、過充電、防水性能の不足、外装の圧迫による変形、あるいはバッテリー自体の品質不良などが挙げられています。
2026年1月5日、上海地下鉄15号線の上海西駅ホームで、モバイルバッテリーの自然発火事故が発生しました。監視カメラの映像には、乗客がエスカレーターでホームへ降りていく途中、上着の片側から突然炎が上がる様子が映っていました。ホームで電車を待っていた乗客たちは一斉に避難し、駅員が消火器で消火したため、けが人は出ず、地下鉄の運行にも影響はありませんでした。
注目すべきなのは、このモバイルバッテリーが前年12月に購入したばかりの新品で、中国政府の安全認証(3C認証)も取得していたことです。しかも、事故当時は充電中でも使用中でもなく、上着のポケットに入れたままの状態でした。消防当局は、モバイルバッテリーは使わずに置いていただけでも、内部ショート、電池セルの欠陥、過去の物理的損傷、周囲の温度変化などによって自然発火する可能性があると説明しています。
中国の民間航空当局の統計によると、2025年だけでも、国内線でモバイルバッテリーに関連する発煙・発火事故は15件に上りました。一部の有名ブランドでは、中国政府の安全認証(3C認証)を取り消されたり、一時的に無効とされたりしたケースもあります。
電動自転車のバッテリー発火問題は、中国で近年、最も社会的関心の高い安全問題の一つとなっています。2021年10月、広州市海珠区の住宅団地で、58歳の男性・陳さんは電動自転車のバッテリーが熱を帯びていることに気づき、屋外へ運び出して冷まそうとしました。しかし、バッテリーを手にエレベーターへ乗り込み、階数ボタンと閉ボタンを押した直後、突然バッテリーが爆発。炎は瞬く間にエレベーター内を包み込み、煙が出始めてから火の海になるまで、わずか3~4秒でした。陳さんは近隣住民によって救出され、病院へ搬送されましたが、全身の9割に及ぶ大やけどに加え、気道にも深刻なやけどを負い、急性腎障害や左目のやけどにも見舞われました。20日余り後、急性心筋梗塞により亡くなりました。
2022年7月には、浙江省麗水市の住宅街近くでも、路上に停められていた電動自転車が突然炎上しました。公共監視カメラの映像には、店舗前で充電中だった電動自転車が突然大きな爆発音を上げ、炎を噴き出す様子が記録されていました。周囲の住民や警察官が消火器を持って駆けつけ、煙と熱気の中で消火活動を行い、一度は炎を抑え込みました。しかし数分後、火は突然再燃しました。その後も何度も再発火し、完全には消し止められず、最終的に消防隊が出動し、約10分後にようやく完全消火されました。
中国応急管理部消防救援局によると、2021年上半期だけでも、全国で発生した電動自転車火災は6462件に上り、その主な原因は電気系統の故障やバッテリーの自然発火でした。
寝ている最中にカナル型イヤホンが耳の中で突然「爆発」した事故から、子ども用スマートウォッチが手首で発火して重いやけどを負わせた事故、モバイルバッテリーが使用していない状態で突然燃え出した事故、さらには電動自転車が路上の充電中やエレベーター内で爆発・炎上し、人命まで奪った事故まで、こうした事例は、中国製の家庭向け電子製品において、品質管理、保護回路の設計、認証審査、サプライチェーンの監督といった各段階に、見過ごせない問題が存在していることを示しています。
たとえ正規の認証を取得し、販売台数が100万台を超える人気商品であっても、自然発火や爆発のリスクを完全に排除することはできません。だからこそ、消費者は関連製品を購入・使用する際、これまで以上に慎重な判断が求められています。
(翻訳・藍彧)
