最近、中国の「上海野生動物園」周辺で起きた出来事が、インターネット上で話題になっています。80代の女性が、道端に捨てられた空のペットボトルを拾い集め、その中に川の水や水道水を入れて「ミネラルウォーター」として観光客に販売していたというものです。現地のニュースメディアの報道によると、この女性は30年以上前から同じような手口で水を売り続けていたといいます。
この問題が再び注目を集めたきっかけは、ある観光客の体験でした。動物園のバス停で待っていた観光客が、この女性からミネラルウォーターを2本、10元(日本円で約200円)で購入しました。しかし飲んでみると味がおかしく、ペットボトルを確認すると、製造年月日の印字が「2025年9月」と「2024年2月」のように全くバラバラで、ラベルの貼り方も雑であり、ボトル自体にも傷が多くありました。観光客は「捨てられたボトルを拾って、勝手に水を入れたのではないか」と疑い、事態が明らかになりました。実は、この女性の行動が問題になったのは今回が初めてではありません。以前にも複数のメディアがこの問題を報じました。「買った時点ですでにキャップの封が切られていた」という声も上がっていました。濁った川の水をそのままボトルに入れて売っていた時期もあったといいます。この報道の後、女性は一時的に姿を消しました。
しかし、最近になってまた、同じ場所で水を売り始めたのです。動物園の管理スタッフが注意しても、女性はわざと地面に寝転がって大声で騒ぎ立てるなどして激しく抵抗しました。高齢の女性に無理やり触れてケガをさせるわけにはいかず、注意や指導が難しい状態が続いているそうです。「自分は高齢者だから、多少のルール違反をしても厳しく罰せられないだろう」という心理を利用したトラブルは、中国の他の観光地でも時々起きていると報じられています。現場の管理スタッフが「相手が高齢者だと、強く出られない」と悩むケースは少なくありません。入場ゲートがない自然の観光地や観光道路では、地元のお年寄りが道路の真ん中に椅子を置いて座り込み、通りかかる他地域ナンバーの車を無理やり止めて、勝手に「通行料」や「駐車代」を要求することがあります。また一部の観光地では、民族衣装を着た人が観光客に無理やりお土産を持たせたり、勝手に隣で写真を撮ったりした後、高額なお金を要求するトラブルも起きています。支払いを断ったり、スタッフが追い払おうとしたりすると、先ほどの女性と同じように地面に倒れ込んで「乱暴された」と叫ぶケースもあるといいます。
さらに、お寺などの宗教施設がある観光地でも、複雑なトラブルが報じられています。一部の有名な観光地では、「偽物の僧侶」と「無資格のガイド」がグループになって、観光客からお金を取るという問題が何度か明らかになっています。手口は巧妙です。まずガイドが観光バスの中で親しげに雑談をし、家族構成や職業、生年月日などの個人情報を聞き出します。その情報をスマートフォンのメッセージ機能でこっそり僧侶役に伝えておき、観光客が到着すると、偽物の僧侶がその情報をもとに現在の状況や悩みをズバリと言い当てます。観光客は「この僧侶は特別な力を持っている」とすっかり信じ込み、「厄払い」や「祈祷」などの名目で、数千円から数万円もする非常に高額な線香を買わされたり、お布施として現金を要求されたりします。
今回起きた「偽ミネラルウォーター」の件は、インターネット上で情報が大きく広まり、多くの人が不満の声を上げています。特に、道に捨てられていた空きボトルを消毒せずそのまま再利用することは、感染症などの健康被害につながる危険性が非常に高いため、強い批判が集まっています。
これに加えて、観光地で売られている「特産品」についても、以前から多くの疑問の声が上がっています。「海辺の観光地で買った天然の真珠が、後で調べたらプラスチックに色を塗った偽物だった」「有名な観光地で買った高価なヒスイが、実は安い石を染めたものだった」「野生の高麗人参だと言われて買ったものが、人工栽培の安物だった」といった体験談が数多く共有されています。こうした行為が繰り返されることで、観光地全体が信用されなくなってしまうことが心配されています。
インターネット上のコメントを見ると、人々は単に怒っているだけでなく、現状に対する落胆の声も目立ちます。多くの人が疑問に思っているのは、「なぜ30年間もこの状態を改善できなかったのか」ということです。「相手が高齢者だから注意しにくい」という理由で、根本的な解決を後回しにしてきたのではないか、と指摘する声が多く見られます。また、「お年寄りであれば、ルールを破っても許されるのか」「大声で騒いだ人が得をするのか」という不公平な状況への不満も強くあります。旅行者はただ安心して過ごしたいだけなのに、常に警戒していなければならないような環境は望んでいません。「このまま問題が解決されずに放置されれば、最終的に観光客は『もうその場所には行かない』という選択をするしかなくなる」という意見も多く見受けられます。
(翻訳・吉原木子)
