最近、雲南省の高速道路で、シャオミの「SU7」が衝突事故を起こし、大破して炎上したという情報が流れています。ネット上では、該当車両のナンバーは「雲DDA6779」、車種はシャオミSU7であり、3名が死亡したと伝えられています。

 シャオミSU7をめぐる衝突・炎上は、今回が初めてではありません。2025年3月29日の深夜、武漢ナンバーのシャオミSU7が、安徽省の徳上高速道路を走行中に衝突して炎上しました。車内には3人の若い女性が乗っており、全員が卒業を控えた大学生で、友人同士、翌日に池州で行われる採用試験を受けるため移動中でした。不幸にも3人全員が亡くなりました。

 シャオミ側の公式発表データによると、事故当時は「NOA」と呼ばれる高度運転支援システムが作動しており、時速は約116キロでした。事故現場は工事のため対向車線へと切り替えられており、システムは障害物を検知して警告を発し減速を開始しましたが、警告から衝突までは約2秒しかありませんでした。運転していた女性は警告の約1秒後に手動操作へ切り替えてブレーキを踏みましたが、車両は時速約97キロのまま分離帯のコンクリート柱に衝突しました。

 当時、この事故で最大の議論となったのは「運転支援システムはどこまで信頼できるのか」という点です。手動操作に切り替えるための時間が短すぎることや、高度な運転支援機能が過剰に宣伝されているのではないかという懸念が社会的に広がりました。同時に、衝突後のバッテリーの燃焼が極めて早かったことや、ドアが開かなかったことで「事故後に脱出できるのか」という深刻な問いかけもなされました。亡くなった女性の母親は、ネット上で悲痛な思いを綴り、なぜ車が衝突してすぐに炎上したのか、なぜドアが開かなかったのかと問いかけています。

 そして半年後、成都でも再び、ドアが開かないまま人が亡くなる事故が起きたのです。2025年10月13日の未明、成都の天府大道でシャオミSU7 Ultraが前方の車に追突し、中央分離帯を乗り越えて横転・炎上しました。運転手の鄧氏が車内に閉じ込められ、そのまま亡くなりました。現場では通行人が窓を割ろうとしたり消火器を使おうとしたりしましたが、ドアを外から開けることはできず、最終的に消防隊員が電動カッターでドアを切断したときには、すでに手遅れの状態でした。

 衝突後に車両の低電圧システムが停止したことで、車外側のドアハンドルの電子解錠機能が作動しなくなり、ドアがロックされたままになりました。当該車両には外側から開けるための機械式ハンドルが装備されておらず、救助隊はドアをすぐに開けることができませんでした。検死の結果、死因は衝突の衝撃によるものではなく火災による焼死と断定されており、「ドアが開かなかった」という問題が救助の障壁となったことは事実です。

 これらの一連の事故から、多くの人が抱く共通の疑問があります。なぜ深刻な衝突事故が起きると、格納式のドアハンドルは動かなくなってしまうのかという点です。技術的な背景には、電気自動車の格納式ハンドルや電子ドアロックが、12Vの低電圧バッテリーに大きく依存しているという事情があります。深刻な衝突時には、高電圧バッテリーの漏電による二次被害を防ぐため、システムが瞬時に高電圧回路を遮断します。しかし、衝突の衝撃で車両前部の低電圧バッテリーが破損したり配線が断線したりすると、車両全体の電子機器が停止してしまいます。電力を失うと、ドアハンドルは飛び出さず、車内の解錠ボタンも機能しなくなります。「先進性」や空気抵抗の低減を求めたデザインが、生死を分ける極限状態では、開けられないドアという高い壁になってしまうのです。多くの車種には緊急用の手動解錠レバーなどが備わっていますが、場所が分かりにくかったり、操作が非常に複雑だったりします。激しい衝突の直後、パニック状態や負傷した状態でそれを探り当てるのは現実的ではありません。車外の救助者にとっても、ハンドルが格納されたフラットなドアは、専用の切断機材がなければなす術がありません。

 これらの一連の事故は、電気自動車の安全性への不安を浮き彫りにし、いわゆる「エンジン車と電気自動車の対立」を再び過熱させています。急成長するこの産業において真に教訓とすべきは、スマートさや高級感といった付加価値を追求するあまり、安全という最も基本的な部分が損なわれてはならないという点ではないでしょうか。そして、運転する側にとっても、どれほど先進的なシステムであっても、速度や交通ルールに対する畏れに代わるものは存在しないのです。

(翻訳・吉原木子)