2026年に入ってから、中国各地で若年層の突然死が相次いで伝えられています。ハンドルを握るプロの運転手から、デスクワークに追われるプログラマー、さらには高い地位にある官僚や巨額の資産を持つ企業家まで、この突然死の暗雲が社会のあらゆる層の中核を担う人々の上に覆いかぶさっているかのようです。人生の盛りにあるはずの人たちが、何の前触れもなく一瞬で命を落としていく。その現実は、多くの人に命の安全や現代の生き方そのものへの深い不安を抱かせています。

 寧夏回族自治区・呉忠市同心県の56歳のバス運転手、周岐紅さんは、人生最後の5秒で壮絶な職業人生の幕を下ろしました。4月6日午前7時ごろ、G6京蔵高速道路の中寧県・五豊台区間で、周さんは45人の女性出稼ぎ労働者を乗せたバスを運転し、興仁鎮へ向かっていました。走行中、突然の体調異変が一気に彼の体を襲います。意識を失い、体の自由が利かなくなろうとしていたその瞬間、車両は高速道路脇の斜面へ転落しかねない危険な状態にありました。しかし周さんは、驚くべき意志の力と運転手としての本能だけを頼りに、呼吸が止まる直前の最後の力を振り絞ってブレーキを踏み、ハンドルを立て直し、車を非常駐車帯に止めました。乗客たちが動揺しながらも車が止まったことに気づいた時、周さんの頭はすでに静かに横に傾いていました。その後、救命措置が行われましたが、帰らぬ人となりました。このわずか5秒が45人の命を守った一方で、このベテランドライバー自身の命をつなぎ留めることはできませんでした。

 同じような悲劇は、北京でも起きています。配車サービスの運転手、劉さんも乗客を乗せて走行中に突然異変に見舞われました。2月25日、彼は運転中に急にけいれんを起こして意識を失い、両手はハンドルから離れてしまいました。車内には妊婦の乗客と、運転のできない別の乗客が乗っており、2人はパニックの中で身を乗り出してハンドルを押さえ、最終的には路肩にぶつける形でようやく車を止めました。劉さんはその後、心臓性の突然死で亡くなりました。残されたのは壊れた家庭と、配車業界の過酷な労働実態を物語る、あまりにも重い現実でした。

 こうした運転中の突然死は、決して珍しい出来事ではありません。

 4月8日、北京で配車サービスの運転手が突然死し、医療スタッフが心肺蘇生を行って救命を試みました。

 4月7日、浙江省温州市では、フードデリバリー大手・美団のトップ配達員が配達中に吐血して倒れました。

 3月29日、安徽省合肥市の野生動物園では、30代の男性が突然倒れ、そのまま死亡しました。中には、ただ背伸びをした直後にそのまま倒れ、起き上がれなくなった人までいました。

 また、広州白雲空港では、今年1月のある夜、一晩のうちに3人の配車サービス運転手が、配車待ちや仮眠中にそのまま運ばれていったといいます。現地の運転手たちは重い口調で、目を覚ましたら隣にいた同業者がすでに冷たい遺体になっていたこともあると語っています。

 被害は職業ドライバーだけにとどまりません。一般の技術職の中核を担う人たちも、例外ではありませんでした。IT業界は突然死の多発地帯になっているとも言われています。2026年1月には、わずか26歳のエンジニア・陳さんが、就寝中に突然大声を上げて意識を失い、呼吸停止と心停止の状態と診断されました。

 同月には、別のプログラマーである孫さんが自宅のトイレで倒れて亡くなりました。昨年11月末には、32歳のAndroid開発エンジニア、高広輝さんも同じような原因で亡くなりました。

 こうした数字の裏側にいるのは、まさに仕事が軌道に乗り始めた若い才能ある人々です。本来なら家族を支える中心であるはずの存在が、誰にも気づかれないまま突然折れていくのです。

 この突然死の波は、社会的に知られた人物や上層の人々にも及んでいます。3月24日には、41歳の著名な教育系インフルエンサーで、非常に高い社会的影響力を持つ張雪峰さんが、心臓性突然死で急死したと伝えられ、ネット全体に大きな衝撃が走りました。

 張さんは亡くなる2日前にもSNSでトレーニングの記録を投稿していましたが、最終的には会社のランニングマシンの上で倒れたとされています。この死は連鎖的な反応を引き起こし、もうジムに行くのが怖くなったという声まで広がりました。場所によっては、ジムのランニングマシンを使う人がほとんどいなくなったという話まで出ています。

 3月20日には、国通信託有限公司の党委員会書記兼董事長だった55歳の湯建さんが心筋梗塞で死亡しました。

 3月19日には、河南ラジオテレビ局のベテラン記者、45歳の魏華さんも心臓病の発作で亡くなりました。

 ビジネス界も例外ではありません。1月8日には、浙江省の富豪で、浙江碳銀数智緑能科技有限公司の董事長だった兪兆洪さんが、急性心筋梗塞により48歳の若さで亡くなりました。兪さんは生前、強い自己管理で知られ、長年にわたり毎朝5キロのランニングを続けていたとされています。その突然の死は、自律していれば健康でいられるという従来のイメージを大きく揺さぶりました。

 また、39歳の山西省のネット有名人、王炸姐もライブ配信中に脳幹出血で死亡しており、こうした著名人の相次ぐ死が、働き盛りの突然死という問題を一気に世論の中心へ押し上げています。

 この一連の突然死の背景に何があるのでしょうか。

 初歩的な分析では、過労と無理な運動が二大要因とみられています。統計によれば、中国では毎年およそ50万件から100万件の心臓性突然死が発生しており、その中でも30歳から50歳の割合が非常に高く、大半が過度の疲労と関係しているとされています。長期間にわたる高強度の労働は、体を慢性的なストレス状態に置き、心臓や血管を長く限界まで働かせ続けることになります。

 さらに警戒すべきなのは、激務のあとに無理をして体を動かす報復的な運動が、最後の一撃になりかねないという点です。張雪峰さんや兪兆洪さんはいずれも、長く筋トレやランニングを続けていたとされています。しかし、強いストレスにさらされ、慢性的な睡眠不足が続く中年層では、心臓に見えない異常がすでに潜んでいる可能性があります。極度に疲れた状態で長距離走やマラソンのような高強度の有酸素運動を行えば、心臓への負担が一気に跳ね上がり、致命的な不整脈や心筋梗塞を引き起こす危険があります。

 最近、浙江省杭州市のある政府機関が主催した長距離走で複数人が倒れたことや、各地のマラソン会場で救急車のサイレンがたびたび響いている現状は、無理な運動への強い警告になっています。さらに、環境要因も見過ごせません。中国東部の工業地帯では空気の質がよくない地域が多く、そうした環境で走るのは、肺や心血管系に慢性的なダメージを与えるおそれがあるという指摘も出ています。

 あまりにも頻繁に人が倒れ、命を落としていく現実の中で、中国の大手ECサイトでは速効救心丸の検索件数が急増しています。次々に伸びていく突然死のリストを前にして、人々は思わず問いかけます。「何かに追われるように走り続けるこの時代、私たちは走りすぎて、心臓が魂の歩みに追いつけなくなっているのではないか」と。

(翻訳・藍彧)