最近、中国各地で工場の火災や爆発などの重大な事故が相次ぎ、甚大な被害をもたらすとともに、社会全体に不安を広げています。4月13日には、浙江省寧波市と山東省済南市で大規模な火災と激しい爆発が同日に発生しました。これら2つの事故において、当局の公式発表とネット上の情報が大きく食い違っていることが、さらなる波紋を呼んでいます。

 4月13日午前8時ごろ、浙江省寧波市奉化区の工業団地にある工場で火災が発生しました。火元は、アルミニウムやマグネシウム合金の精密部品を製造する上場企業の工場です。目撃者によると、1階からの出火が急速に上層階へ燃え広がったといいます。現場の映像には、4階建ての工場全体が炎と黒煙に包まれ、爆発音を伴いながら数時間にわたって激しく燃え続ける様子が捉えられています。従業員の話では、工場は新設されたばかりの試運転段階にあり、溶接作業中に誤って廃材置き場に引火した可能性があるとのことです。地元当局はその後、火はすでに鎮火し、死傷者は出ていないと発表しました。しかし、この発表はネット上で疑問視されています。一部のネットユーザーからは、単なる事故ではなく、未払い賃金のトラブルを巡る社会への報復としての放火ではないかという声が上がっています。さらに、鎮火後の現場から数十人の遺体が運び出されたという噂も飛び交い、当局が情報統制を敷いているとの批判も出ています。こうした情報の真偽は定かではありませんが、ネット上で議論が沸騰する背景には、厳しい生活を強いられる労働者の不満や、当局に対する根強い不信感が見え隠れしています。

同日午前9時30分ごろには、山東省済南市天橋区にある路面店の居酒屋で激しい爆発が起きました。爆発の威力は凄まじく、独立した建物だった店舗は完全に吹き飛び、がれきの山と化しました。強烈な爆風により隣接する住宅用ビルも深刻な被害を受け、多くの部屋のドアや窓が変形し、ガラスが砕け散っています。近隣住民によると、発生時には巨大な爆発音が鳴り響き、数キロ先でもはっきりと聞こえたため、地震と勘違いした人も少なくなかったといいます。現場には多数の消防車やショベルカーが駆けつけ、救助と撤去作業に当たりました。済南市の当局は、負傷者2名が病院に搬送されたものの命に別状はなく、原因は調査中であると発表しました。しかし、これほど大規模な爆発でありながら「負傷者はわずか2名」とする公式発表に対し、ネット上では疑念の声が目立ちます。老朽化したガス管の破損を原因と推測する意見がある一方で、最近相次ぐ事故と結びつけ、これも人為的に引き起こされた事件ではないかと危惧する声も上がっています。

 寧波の火災と済南の爆発は決して特異なケースではなく、最近中国各地で頻発している安全事故の氷山の一角にすぎません。4月に入ってからだけでも、各地の工場で火災や爆発事故が立て続けに発生しています。例えば、甘粛省玉門市の化学工場での火災では3人が死亡、2人が負傷しました。山東省東営市や広東省肇慶市の工場でも出火が相次ぎました。遼寧省錦州市の化学企業では点検作業中に爆発が起き、2人が死亡しています。さらに、3月末から4月上旬にかけても、山東省済南市の化学工場での大爆発、重慶市のトンネルでの可燃性ガス爆発(4人死亡、9人負傷)、内モンゴル自治区通遼市の住宅街での爆発、重慶大学の実験室での爆発といった事故が連続し、いずれも死傷者や大きな被害を出しています。

 このように頻発する一連の火災や爆発事故は、一部の企業や地域における安全管理のずさんさや、インフラの老朽化といった問題を浮き彫りにしています。そして何より、市民の間に広範な不安を巻き起こしています。事故が発生するたびに、「死傷者ゼロ」あるいは「死傷者はごくわずか」とする当局の発表が出されますが、悲惨な現場の映像やネット上に出回る情報と大きく食い違うことが少なくありません。こうした情報の不透明さに加え、現在の厳しい経済状況下で生活苦に直面している人々も多く、ネット上では「社会への報復」や「やり場のない怒り」といった言葉が頻繁に見受けられるようになっています。絶え間なく続く事故の背景には、単なる安全管理の問題にとどまらず、現在の中国社会が抱える複雑なストレスや矛盾が影を落としていると指摘する声も少なくありません。

(翻訳・吉原木子)