白鳥の奇縁~すべての生き物に魂が宿っている.
(pxhere, CC0 パブリックドメイン)

 鶏、アヒル、ガチョウは中華料理でよく使われる食材です。猫や犬のようにペットとして選ばれることは少ないかもしれませんが、彼らに豊かな感情や知能がないわけではありません。これから紹介する3つのガチョウに関する実話は、世の中のすべての生き物に魂が宿っていることを物語っています。

包丁を研ぐ飼い主を止めるガチョウ

 中国メディア『錢江晚報』の報道によると、2月17日、貴州省のある農家で、一羽の大きなガチョウが自分の命を守るため、包丁を研ぐ飼い主を止めようとしました。
 ネットで拡散された動画には、飼い主の男性が包丁を研いでいる時に、ガチョウが近づいてその手を足で押さえ、さらには男性の胸元に飛び込んで全身で包丁を押さえる姿が映っています。それだけではありません。男性が大きな雄鶏を捕まえると、ガチョウは仲間を守るかのように一歩も離れず、必死に雄鶏を庇い続けました。その振る舞いは驚くほど人間味にあふれ、賢いものでした。
 動画を投稿した潘さんは「このガチョウは家で何年も飼っており、非常に賢い子でした。兄が包丁を研いでいるのを見て緊張したのか、止めにきたのでしょう。これほど知恵のあるガチョウを殺すことはできないと、家族で話し合って決めました」と語りました。
 このガチョウは結局、殺されずにそのまま飼われ続けています。
 中国本土のネットユーザーたちはコメント欄で「このガチョウは本当に知恵がある」「人間の気持ちがわかるガチョウは絶対に殺してはいけない!」「このまま飼って、これからは絶対に殺さないで。魂が宿っているもの」と書き込みました。

屠殺の包丁の前で涙を流したガチョウ

 もう一つの話は、中国安徽省で起きた出来事です。屠殺を待つ一羽の大きなガチョウが涙を流し、その運命を変えました。
 大紀元の報道によると、安徽省在住の投稿者は一羽のガチョウを屠殺しようとした時、ガチョウが頭を垂れ、嘴の先が地面に触れ、目尻から涙がゆっくりと流れ落ち、床に涙の跡が残っているのが見えました。投稿者は「お湯を沸かし始めたばかりなのに、ガチョウが泣き出した。結局、殺すのか殺さないのか、食べるのか食べないのか、どうすればいい?」と困惑しながら動画を公開しました。

 投稿者は中国メディア「晨視頻」に対し、「このガチョウは最近買ったもので、故郷に帰る時に屠殺する予定でした。まさか涙を流す姿を見るとは思いませんでした。おそらく子どもがほうきで遊んでいて、偶然ガチョウの目に当たったから、涙が出たのでしょう」と語りました。
 これに対し、多くのネットユーザーがガチョウのために声を上げました。「殺さないで!」「このガチョウは人間の気持ちがわかる。屠殺されるのが怖くて泣いたんだ」「こんなに賢いガチョウは絶対に残してあげて」。中には「殺さないで。このガチョウには知恵がある。なんなら私に譲ってください」「私がずっと飼ってあげるから」と引き取りを申し出る人もいました。
 幸い、この出来事は多くの人々の望む通り、投稿者はガチョウを屠殺するのをやめて他者に譲り渡し、自身も「今後は二度とガチョウの肉は食べない」と誓ったそうです。

トルコの白鳥の奇縁
 トルコ北西部の町・カラアーチでは、自給自足の農業と畜産が主な経済活動です。そこで暮らすレジェップ・ミルザン(Recep Mirzan)さんは、一羽の白鳥と不思議な縁を結んでいます。
 30年ほど前、レジェップさんは友人たちとドライブ中、エディルネ県の広い原野で翼を負傷した雌の白鳥を見つけました。彼は迷わず手を差し伸べ、白鳥を車に乗せて天敵から守り、自宅の農場へ連れ帰りました。この白鳥は「ガリプ(Garip)」と名付けられました。「奇妙な」「哀れな」という意味で、その境遇にぴったりでした。
 カラアーチに戻った後、ガリプはレジェップさんの農場で穏やかに暮らし、細やかな世話を受けて、みるみる回復しました。その後も農場で暮らし、他の動物たちと平和に過ごしています。たとえ自力で農場を離れられる能力があっても、レジェップさんが何をしていてもそばにいて、決して離れようとしませんでした。この絆は数十年続き、もうすぐ40年になります。
 英国の動物保護団体「The Swan Sanctuary(白鳥の保護区)」によると、野生の白鳥の平均寿命は12年ですが、保護された環境では30歳まで生きられるそうです。レジェップさんと白鳥ガリプの縁がこれほど長く続いたことは、彼がどれだけ心を込めて世話をしたか、そして農場での生活が白鳥の健康に良い影響を与えたことを物語っています。
 初めて出会った時のことを思い出すと、レジェップさんは「狐の餌食にさせるのではなく、家に連れて帰るべきだ」と即座に思ったそうです。妻に先立たれ、子供もいないレジェップさんにとって、ガリプとの出会いは嬉しいものでした。レジェップさんはガリプを自分の子どものように大切に世話し、ガリプも忠実にレジェップさんのそばに寄り添ってきました。種族を超えたこの深い信頼関係は、まさに「万物に魂がある」ことを証明しています。

 中国の伝統文化では「萬物皆有靈」という言葉があります。人間だけでなく、動物、植物、岩石、河流、風や雷といった自然現象など、天地万物すべてのものに霊魂や精神、生命が宿っているという考え方です。
 しかし中国共産党は無神論を喧伝し、こうした伝統的な生命観を否定しながら、中国人を洗脳して自分自身を神のように祭り上げているのです。中共の目には、動物の命も、尊い人間の尊厳も、等しく価値のない「材料」や「道具」に映るのかもしれません。
 本来、人間と動物が慈しみ合い、平和に共存するのは「正常な社会」の姿です。動物たちが時折見せるこうした不思議な行動は、私たちが忘れてはならない「生命への畏敬」を思い出させてくれる大切なメッセージなのです。

(翻訳・慎吾)