中国経済の低迷が続く中、街頭で倒れる出稼ぎ労働者の姿が、この数年、各地で繰り返し伝えられています。
2026年5月、湖北省武漢市の街頭で撮影された動画がネット上で注目を集めました。白い服を着た男性が路傍の草地に横たわっており、両手にわずかな動きはあるものの、起き上がる体力はもはや残されていない状態でした。声をかけた市民によって、すでに数日間何も食べていないことが分かりました。
時計の針を少し戻します。2025年12月30日、ネット上で拡散された動画には、黒い服を着た男性が上海のある公園の木の下でうつ伏せに倒れている様子が映っていました。傍らの草地には布団が敷かれ、スーツケースや衣類の入った大きな袋が置かれており、公園で寝泊まりしていた出稼ぎ労働者と見られます。警察と救急隊員が現場に到着しましたが、応急処置を施すことはなく、男性の所持品を調べている様子でした。
中国東北部でも、同じ様な出来事が伝えられています。遼寧省瀋陽市のある路上で、倒れていた黒い服の男性に数名の女性が呼びかけ、目を覚まさせ、枕の代わりにリュックを頭の下に置いて、水や飴を与えていました。警察が市民の通報を受けて状況を尋ねると、女性たちは、彼は四川省から瀋陽に仕事を探しに来た若者で、職が見つからず、二日間何も食べていなかったため、空腹のあまり気を失ったのだろう。と説明しました。救急隊員が診察した結果、命に別状はないと判断され、その場を後にしましたが、周囲にいた市民たちは彼にお金や食べ物を手渡し、サポートしたといいます。
南方でも同様の出来事が報じられています。2024年7月21日、福建省漳州市のある店舗の前で、台風の中、痩せ細った男性が、数時間にわたって座り込んでいました。事情を尋ねた女性店主は、彼が広州から仕事を探しに来たものの、四日経っても職が見つからず、所持金も使い果たしてしまったことを知りました。店主がおよそ2000円(100元)と傘を手渡したところ、男性はようやくリュックを背負って立ち去ったということです。
江蘇省蘇州市の昆山では、より深刻な状況が集中的に伝えられています。昆山はかつて非常に繁栄した製造業の拠点でした。しかし、近年は衰退が進み、多くの工場が倒産あるいは人員削減に追い込まれています。出稼ぎに来た若者の多くは、仕事が見つからず収入も得られず、故郷の家族に合わせる顔もないため、この地に長く留まっています。中華園と呼ばれる地区には、職を見つけられない若者が大勢集まっており、家賃を払えず野宿せざるを得ない人も少なくないとされています。
2024年8月13日の夜、中華園内で撮影された動画には次のような光景が映っていました。上半身裸の若い男性が両腕で膝を抱え、壁の隅にうずくまり、まったく動きません。全身は骨と皮だけになり、両足はすでに黒ずんで腫れ上がっていました。傍らに荷物はなく、白いビニール袋が一つあるだけです。隣には手帳を持った医療従事者が立ち、もう一人がしゃがんで救急箱を閉じ、立ち去ろうとしていました。少し離れた場所には、青い布で覆われた担架が置かれていたといいます。動画だけでは死亡を断定できないと考えるネットユーザーもいれば、負傷と飢餓が重なった結果ではないかと推測する人もいました。
中華園で類似の出来事が伝えられたのは、これが初めてではありません。同年6月にも、中華園西村19号棟2号入口で男性が餓死したとネットユーザーが情報を寄せ、動画には骨と皮だけになって丸まっている若い男性を、当局者が担架で運び出す様子が映っていたとされます。拡散後、昆山の官製メディアは直ちに「デマである」と反論しました。さらにさかのぼれば、2023年4月にも、男性が昆山の街路樹の緑地帯で空腹のあまり気を失ったという動画が流出しています。当時、地元のネットユーザーがコメント欄に「蘇州ではすでに何人も餓死していて、発見された時にはもう異臭がしていた」と書き込んでいました。
Xでは、多くのユーザーがこれらの動画にコメントを寄せています。「食料が溢れているこの時代に餓死する人がいるなんて、一体どういう社会なのか」「これから餓死する人はますます増えていくだろう」「人を食い物にする社会だ」といった声のほか、「中共の強大さなど、寄生する怪物が宿主から血を吸う時に見せる幻想にすぎない」と書き込む人もいました。
近年、中国経済の下降に伴い、本土の工場や企業が次々と倒産あるいは人員整理を行い、大学卒業生を含む多くの出稼ぎ労働者が職を見つけられず、大都市の街頭をさまよっています。以前、中共体制内の学者による調査結果がネット上で出回り、本土のホームレス数は1000万人を超えるとされていました。しかし、記事はすぐに削除され、真偽は不明のままです。最近もまた、中共内部の統計とされるデータによれば、ホームレスの数はわずか数年で2410万人にまで急増し、その大半が若者だとされていますが、このデータも検証する手立てはありません。
2023年から2026年まで、南から北まで、よく似た出来事が異なる都市で断続的に伝えられてきました。カメラに収められていない場所で、記録されないまま消えていった出来事がどれほどあるのか、確かなことは誰にも分かりません。
(翻訳・吉原木子)
