イメージ:【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)

 睡眠不足がもたらす健康への影響は、私たちが想像する以上に深刻です。研究によれば、長期的な睡眠不足は心血管疾患、肥満、感染症、うつ病のリスクを大幅に高め、さらにはワクチンの効果を低下させる可能性もあります。一方、十分な睡眠をとっている人は、通常、ワクチンがより良い保護効果を発揮します。

 長い間、「毎日8時間眠ること」が健康的な睡眠の基準とされてきました。しかし、最新の研究では、この考え方には誤解がある可能性が指摘されています。実際には、必要な睡眠時間は人によって大きく異なり、固定的に8時間と決めつけることは適切ではありません。

 睡眠時間は、年齢・生活習慣・遺伝など、多くの要因と密接に関係しています。6〜7時間の睡眠で十分に回復できる人もいれば、9時間以上必要とする人もいます。つまり、「よく眠れたかどうか」は単純に睡眠時間の長さだけでは判断できません。無理に8時間睡眠を守ろうとすると、科学的根拠が乏しいだけでなく、睡眠過多や睡眠不足によって脳の老化を早める可能性もあります。

 また、睡眠時間だけでなく、人それぞれ「体内時計」も異なるため、睡眠リズムにも違いがあります。早寝早起きで朝に強い「朝型」の人もいれば、夜に活動的で集中力が高まる「夜型」の人もいます。こうした違いは遺伝的要因が大きく、意志で変えられるものではありません。自分のタイプを理解することで、より適切な睡眠スケジュールを組み、睡眠の質を高め、心身の機能を向上させることができます。

 最新の研究では、長寿者に共通する特徴として「睡眠時間が規則的で安定している」ことが明らかになりました。その多くは6.5〜7.5時間の範囲に収まっています。したがって、睡眠時間やタイプだけでなく、睡眠の「質」にも注目する必要があります。以下に、睡眠の質を判断する4つの基準をご紹介します。

1.ベッドに入ってから30分以内に眠りにつける。

2.夜中にほとんど目が覚めない、または目が覚める回数が少なく、すぐにまた眠りに付ける。

3.朝起きたときにすぐ起き上がることができ、気分がすっきりしている。

4.日中は頭が冴えており、仕事の効率が高い。

 これらに当てはまるなら、あなたの睡眠の質は良好と言えます。もし寝つきが悪い、起きても疲れが取れないと感じる場合は、次の方法を試してみましょう。

1.静かで快適、風通しの良い睡眠環境を整える。

2.就寝30分前からスマートフォンなどの電子機器の使用を控える。眠れない場合は、音楽、読書、瞑想などでリラックスし、眠気が来てから寝る。

3.午後3時以降はカフェインを摂らない。カフェインの代謝には約8時間かかるため、夕方以降のコーヒー、紅茶、コーラなどの飲み物は避ける。

4.夕食は食べ過ぎないように、就寝3時間前の飲食は控える。消化器官の休息を妨げないためにも重要。

 睡眠は心身の健康を支える重要な基盤です。「8時間寝たかどうか」にこだわるより、自分の体内リズムや生活習慣に合わせて、最適な睡眠スタイルを見つけることが大切です。自分に合った作息リズムを整え、睡眠の質を高めることで、より健康的な生活を手に入れることができます。

(翻訳編集・玉竹)