2026年に入り、言葉にできないほどの恐怖が、中国各地の街角で静かに、しかし確実に広がっています。それは抽象的な統計データによるものではなく、一般市民が肌で感じる底知れぬ寒気のようなものです。ある中国人女性は、息をのむような光景を目撃し、震える指でSNSにこう投稿しました。「夫と一緒でも、夜に出かけるのが怖くなりました」と。彼女は白昼堂々、スーパーから出てきたばかりの母娘がワンボックスカーに強引に押し込まれ、瞬く間に車列の中へ消え去るのを目の当たりにしたのです。かつてはサスペンス映画の中だけの出来事だと思われていた惨劇が、今や現実の世界で頻発し、多くの家庭を深い不安の淵へと突き落としています。

 「最近、ますます治安が悪くなっている気がします。子供だけでなく、大人の失踪も決して少なくありません」。この素朴な嘆きの背景には、最近集中的に発生している失踪事件の多さがあります。天津では、22歳の若者が夜勤明けの帰宅途中に忽然と姿を消し、未だに消息がつかめていません。ネット上では、白髪交じりの母親が絶望に打ちひしがれながら訴える動画もありました。息子は雲南省への旅行に出かけたはずだったのですが、その携帯電話の位置情報は、不気味なことにカンボジアを示していたのです。恐怖に地域差はありません。上海の奉賢や浦東といった繁華街から、広西チワン族自治区貴港の路上に至るまで、失踪者のリストは伸び続けています。ある目撃者は、半年前に貴港で起きた悲劇を振り返りました。一人の少女が真っ昼間の路上で連れ去られそうになった際、絶望の中で「私はB型肝炎持ちなの!」と泣き叫び、病気を理由に犯人を怯ませようとしたそうです。しかし、その悲痛な叫びも虚しく喧騒にかき消され、彼女の姿は消えてしまいました。

 ネット上のコメント欄は、人々が恐怖を吐露し、断片的な真実をつなぎ合わせる場と化しています。ある上海のユーザーは「最近は郊外だけでなく、中心部でも人が消えていますが、関連情報は目に見えない力で隠蔽されているようです」と指摘しています。山東省のユーザーはさらに不可解な事例を語ります。「ゴミ出しに階下へ降りただけで行方不明になった」「高速道路を降りたところで車だけが発見され、運転手が消えていた」といった具合です。この逃げ場のない閉塞感は、中国の治安に対する人々の最後の防衛線を粉々に打ち砕いてしまいました。

 長きにわたり、カンボジアやミャンマーなどの東南アジア地域は、通信詐欺の拠点や横行する人身売買により、大衆の認識の中で「無法地帯」や「この世の地獄」の代名詞となっていました。人々は「国境さえ越えなければ、あの混乱した地域に近づきさえしなければ安全だ」と信じて疑いませんでした。しかし、今や身近で頻発する失踪事件により、ある嘆きが残酷な社会的隠喩へと変わりました。それは、「カンボジアに行かなければ大丈夫だと思っていた。まさか私たちがいるここが、そのカンボジアだったとは」という言葉です。慣れ親しんだはずの安全な故郷が、いつの間にか噂に聞く「魔窟」のように危機に満ちた場所へと変貌してしまったのです。

 恐怖の拡散とともに、人々の視線は単なる治安事件から、より深い闇、すなわち臓器移植へと向けられ始めています。背筋が凍るような噂が巷で囁かれています。「中国の若者の肉体は、ある種の地下取引において最高級のA級品として持て囃されている」というのです。内部事情に詳しいあるブロガーは、生理的特徴の違いから、他国の人種に比べて中国の若者の臓器は適合率が高く、ウイルスが少ないため、ブラックマーケットにおけるドル箱になっていると暴露しました。さらに恐ろしいのは、医療現場での異常な反応です。ある患者の家族の証言によれば、適合する肝臓ドナーが見つからない場合の対応を医師に尋ねたところ、返ってきたのは「金さえ用意できればいい、ドナーは問題ない」という冷酷な答えだったといいます。臓器の供給源に対するこの驚くべき自信は、街頭で頻発する失踪事件と不気味なほど一致しています。

 専門家は、この現象がもはや通常の刑事犯罪の枠を超えていると指摘します。その背後には、権力、金、警察、闇社会という4つの要素が絡み合った、巨大な「狩りのネットワーク」が透けて見えます。このネットワークにおいて、権力は需要の源泉であると同時に、一部の特権階級の延命や、いわゆる健康プロジェクト推進のために罪悪の保護傘となり、産業チェーン全体にゴーサインを出しています。莫大な商業的利益は、病院、仲介業者、情報屋を突き動かし、生きた人間を冷たい値札へと変えてしまいます。そして本来、社会の安全を守る防波堤であるはずの警察力は、一部の事例において「始末屋」に成り下がったと非難の的となっています。彼らは現場を封鎖し、隠蔽し、時には直接拉致に関与することさえあります。闇社会の勢力は最底辺の実行部隊として、誘拐や不法監禁などの手段を用い、白昼堂々と略奪を行っているのです。

 救急車が命を救う箱舟ではなく、地獄への霊柩車となり、制服が守護ではなく共謀を意味するようになった時、社会の基本的な信頼の基盤は崩壊します。2025年末から2026年初頭にかけて次々と露呈した惨状は、世界に向けて残酷な事実を告げているようです。強欲と特権が主導するこの「人間狩り」の中で、一般市民の安全神話は跡形もなく消え去り、社会全体が見えない巨大な網に囚われてしまったかのようです。

(翻訳・吉原木子)