長征3号衛星ロケットの打ち上げが行われたが、打ち上げて50秒も経たずに爆発し墜落した(イメージ:YouTubeスクリーンショット)

 4月9日19時46分、中国四川省・西昌衛星発射センターで、長征3号衛星ロケットの打ち上げが行われたが、打ち上げて50秒も経たずに爆発し墜落した。映像も流出した。

 中国のSNSユーザー「China航天」がアップロードした映像によると、ロケットの打ち上げから約50秒後、上空でらせん状の煙を出し、燃焼中のロケットの残骸は落下した。ただし、「China航天」はロケットが事故に遭ったとは知らないようで、続けてロケットの情報を紹介し、「ロケットの任務達成を願う」と記述した。

 その後、中共メディア新華社通信の報道によると、北京時間4月9日午後7時46分、西昌衛星発射センターではロケット「長征3号乙」を用いてインドネシアの「PALAPA-N1」衛星を打ち上げようとした。しかしロケットは打ち上げ後、第一・第二段階の飛行が正常だったが、第三段階で異常が発生し、最後に衛星と同時に爆発し墜落した。現在、トラブルシューティングと一連の処理作業を始めたという。

 中国本土での衛星打ち上げ失敗は今回で今年2回目となる。1回目は3月16日、ロケット「長征7号甲」を用いて、試験衛星6号を打ち上げようとする際、異常が発生し任務が失敗したという。

 宇宙飛行ニュース「NASA Space Flight」の報道によると、「PALAPA-N1」は中国航天科技集団五院で開発され、中国東方紅4号強化形通信衛星プラットフォームを基とする。もともとはインドネシアの衛星通信会社「PT Pasifik Satelit Nusantara」とインドネシアの通信会社2社の合同使用となる予定だった。

 中国・長城工業集団有限公司とインドネシア・PT. Palapa Satelit Nusa Sejahtera社は2017年、ジャカルタで「インドネシアPALAPA-N1通信衛星プロジェクト」に署名合意した。その目的はインドネシアの通信・放送事業を改善し、社会の進歩と経済の発展を目指し、そして中国航天科技集団の「一帯一路」建設の成果を示すことにある。

 「長征3号乙」の墜落の報道について、SNSでは「また爆竹が空まで飛ぶことができなかったな」「大きな花火だね。武漢の封鎖解除を祝っているか。おめでとうって言うべきかな」「想定通りに墜落した」「武漢肺炎で亡くなられた李文亮先生と犠牲者の皆さんにせめての慰めになれたら」「長征3号は武漢肺炎に感染したのかよ。やばいね」との反応があった。

(翻訳・常夏)