2025年、中国では強風や洪水といった天災に加え、A型インフルエンザの再拡大、幼稚園での大規模な鉛中毒、香港の集合住宅火災など、人災の疑いが残る重大事故も相次ぎました。被害は死傷者や重症者の増加にとどまらず、生活や医療、農業、都市の安全まで広く揺さぶっています。本動画では、各地で何が起きたのかを整理し、その背景にある共通点を追います。
中国全土を襲った史上最強級の風災害
4月中旬、中国の広範な地域で強風を伴う悪天候が発生し、北京市や天津市を中心に、木の倒壊、建物の損傷、交通機関の混乱など、さまざまな被害が確認されました。今回の強風は風速が非常に高く、影響範囲も広大でした。観測史上の記録を更新する地域も多く見られました。さらに、北部から南下した砂塵が広範囲に広がり、広東省や四川省では大気汚染が深刻化しています。
北京市気象当局によると、11日夕方から13日朝にかけて、市内の573の観測地点のうち509地点で「猛烈な風」が観測され、350以上の地点で非常に強い風が吹き荒れました。特に門頭溝区の高地では、風速が秒速45.8メートルに達し、極めて稀な猛烈な突風となりました。房山区や通州区でも同様に非常に強い風が観測されています。
中国気象局の統計によると、11日午前8時から12日午前6時までの間に、全国1900か所以上の観測点で激しい風が観測されました。また、そのうち5か所では極端な風速が記録されました。専門家は、今回の風は影響範囲が広く、持続時間が長い点で典型的な極端気象であると指摘しています。
長雨の秋 トウモロコシにカビ 乾燥機は品切れ
今年の長引く秋雨の影響で、河北省、河南省、山東省、湖北省、安徽省、江蘇省といった主要な穀倉地帯に加え、山西省、陝西省、甘粛省などでも農作物の収穫が大幅に減少しているとのことです。
あるブロガーは次のように伝えています。安徽省北部では7〜8月にかけて猛暑と干ばつが続き、農民たちは炎天下で懸命に灌漑を行いました。その後、一転して気温が下がり、秋雨が長く続いた結果、安徽省北部のトウモロコシはほとんどが雨に打たれて畑の中で腐ってしまいました。わずかに品質の良いトウモロコシを収穫できた農民でも、雨続きで保管できず、腐敗が進んでしまったといいます。
止まない秋雨の影響で、畑の中でトウモロコシが次々とカビ始めたため、農民たちは緊急的に穀物乾燥機を使って収穫を急いでいます。その結果、農業機械メーカー「中聯重科(ズーレン・ジョンコー)」の乾燥機は全国的に売り切れとなっています。
気象当局は、連日の曇天と雨天により黄河や淮河流域でトウモロコシの収穫が遅れ、その影響で冬小麦の播種時期が極めて短くなっていると指摘しています。また、冠水した農地では土壌が粘り気を増し、播種機を畑に入れることができないため、冬小麦の播種が大幅に遅れています。
A型インフルエンザの拡大
3月13日、中国のTikTok(ティックトック)には、多くの病院が患者であふれることを示す動画が多数投稿されました。
ある医療関係者のブロガーは、「最近、A型インフルエンザの感染が非常に深刻で、病院は満員である。昨夜亡くなったのは3人で、そのうち1人は30代であった」と語っています。
ある動画には、広東省恵州市第三人民病院の外来に、早朝から多くの人々が受付のために長蛇の列を作っている様子が映っています。
多くの医師が「今年のA型インフルエンザのウイルスは本当に異常なほど猛威を振るっている」と語っています。
2025年10月以降、中国では再び深刻なA型インフルエンザの流行が起き、重症者や死亡例が前年同期より大きく増えています。
中国の国営メディアの報道によると、現在、多くの都市でインフルエンザの流行レベルが急速に上がっており、感染者数も明らかに増えています。北京はすでに流行のピーク期に入り、上海もまもなくピークを迎える見通しだとしています。
中国疾病予防控制中心の最新の監視データでは、A型インフルエンザは全国で急速に広がっており、17省が高い流行水準にあります。過去3か月の全国のA型インフルエンザの重症者と死亡者は、前年同期と比べて約40.2%増加しました。外部では、実態はさらに深刻である可能性も指摘されています。
影響が最も大きいのは子どもで、北京、広東省、浙江省、河南省など各地の学校で集団感染が大規模に発生しました。北京の「健康防護指針」では、感染しやすい人の数が1200万人を超えたとしています。
甘粛省天水の幼稚園で247人が鉛中毒
中国北西部の甘粛省では、ある幼稚園で大規模な鉛中毒が発生し、地域の基幹産業がもたらす環境汚染のリスクが改めて浮き彫りになりました。
2025年3月から7月にかけて、甘粛省天水市の褐石培心幼稚園で、園児247人と複数の教員が血中鉛濃度の深刻な基準超過と診断されました。症状が進んだ子どもの一部には、歯茎に現れる「鉛線」など、慢性的な中毒を示す症状まで確認されたといいます。
中国当局は、幼稚園が食品に規定に反して「工業用顔料」を混入させたことが原因だと発表しました。しかし保護者や外部からは、周辺の非鉄金属加工工場による汚染の可能性を疑う声が強く出ています。天水市には過去にも重金属汚染の経緯があり、周辺には鉛の製錬工場が多数分布しているとされています。
民間の調査では、地元の病院が過去に何度も元の検査データを改ざんし、異常値を正常値に書き換えて事態を隠そうとしたとする指摘があります。省の疾病予防当局による再検査の手続きでも、混乱があったとされています。
蘭州市の環境保護活動家である張蘭氏は大紀元の取材に対し、今回の対応はかつての呉家河の事件と非常によく似ていると話しています。「政府も病院も、住民の血中鉛濃度の基準超過を隠し、検査報告書を修正していた。汚染企業の改善も形だけで、世論が高まると拙速に責任追及をして終わらせる。結局、住民が受け取った補償は1人あたり約2万円(1000元)あまりだった」と述べました。
香港の集合住宅で大火災
2025年11月26日、香港の大埔にある宏福苑で、1948年以降で最も深刻とされる「大規模火災」が発生しました。警察当局が12月20日に公表した内容によると、死亡者数は161人に増えたとされています。
火災の発端は、団地内の8棟の建物で進められていた大規模な外壁修繕工事でした。調査では、工事の請負業者である宏業建築が、施工中に規定に反して、窓を塞ぐ目的で大量の高い可燃性を持つ発泡材を使用していたこと、さらに設置された防護ネットが難燃基準を満たしていなかったことが確認されたといいます。
重要な証拠として、施工側が偽造された品質検査報告書を使った疑いも指摘されています。問題の防護ネットは中国本土のメーカーが製造したとされますが、品質検査の番号が公式ルートで照合できず、ネット通販の販売ルートが疑われていると伝えられています。
この工事については、以前から住民が、100か所以上の違反があるとして公に警告を発し、労働局にも火災リスクを通報していました。しかし関係機関は「リスクは低い」と回答し、実効性のある介入措置を取らなかったとされています。
火災後、遺族や市民は署名活動を行い、独立した調査委員会の設置を求めました。これに対し、香港政府と国家安全関連機関が調査に関与し、市民グループの発起人や元区議員ら複数人を相次いで拘束したと報じられています。
12月2日には、中国共産党の香港駐在国家安全公署が文章を発表し、「ごく一部の外部の敵対勢力が火事に乗じて騒ぎを起こしている」と主張しました。
アムネスティ・インターナショナルは、香港政府に対し、宏福苑の火災原因について公開かつ透明な調査を直ちに行うべきであり、問題提起をした人々を取り締まるような対応を取るべきではないと呼びかけています。
(翻訳・藍彧)
