2023年アカデミー賞のカナダ公式推薦作品として世界的な評価を受けたアニメ・ドキュメンタリー『長春―Eternal Spring』が、世界人権週間に合わせ、12月8日から14日にかけて東京(吉祥寺・深川)、埼玉、広島、松江、福岡で特別上映されます。国際的に注目を集める本作を日本で鑑賞できる貴重な機会です。
本作は2002年3月に中国で発生した、国営テレビ局の電波が真実を伝えるために乗っ取られたという前代未聞の事件をテーマにしています。事件直後、関係者を割り出すために大規模な捜査が展開され、コミックアーティストの大雄(ダーション)は関与していなかったにもかかわらず、故郷の長春を離れざるを得ませんでした。
それから20年後、大雄は生存者を訪ね、彼らの記憶を自らの絵コンテで可視化しながら、当時の出来事とその意義を静かに掘り下げていきます。証言者が動揺を抑えながら淡々と語る言葉と、大雄が描くアニメーションが重なり合い、観客に強い余韻を残す作品に仕上がっています。検閲や弾圧の影で消されてきた声を伝える本作は、情報と自由に向き合う今日の社会において大きな示唆を与えます。
また、埼玉・福岡・広島・松江の各会場では、上映後に大雄によるトーク&Q&Aを予定しています。作品制作の裏側や、取材を通して見えてきた現実について語る場となり、観客にとっては一層深い理解につながる貴重な機会となります。カナダ在住の大雄は『スター・ウォーズ コミック』(Dark Horse出版)や『ジャスティス・リーグ』(DCコミックス出版)のイラストも手がける国際的アーティストであり、直接話を聞ける場は極めて稀です。
情報の扱われ方や表現の自由が議論される現代において、本作は「なぜ真実を伝える行動が命がけとなったのか」を問う作品であり、観る者に深い問題意識を促します。
「この10年間で映画を1本だけ観るとするなら『長春』を観る。全世界の人に『長春』を観てほしい」
―歴史学者ジェイソン・モーガン
『長春―Eternal Spring』の上映スケジュールやチケット詳細は、公式サイトをご覧ください(下の画像をクリックして下さい):

