今年の台風18号は、24日夕方から夜にかけて、広東省の陽江から湛江にかけての沿岸部に上陸する見込みです。24日午後以降、中国の各種SNSにはすでに広東省の住民から多数の現場映像や投稿が寄せられています。台風の中心はまだ上陸していないものの、すでに外側の暴風域だけでも強い破壊力を示しており、多くの市民が「このまま台風が直撃すれば、どれほど恐ろしい状況になるのか」と不安を募らせています。
陽江の住民が投稿した映像では、台風の外側の暴風域であっても猛烈な風が吹き荒れ、大型トラックが横転し、今にも持ち上げられそうな勢いでした。映像には風の轟音が響き渡り、道路脇の木々が地面に押し付けられるように大きくしなり、現場の激しさを伝えています。
また、別の映像には、対面の集合住宅で窓を閉め忘れた部屋の窓が突風で激しく開き、住人2人の男性が必死に窓枠を押さえる姿が映っています。1人は窓を閉めようと繰り返し試みるものの、強風に阻まれて失敗。コメント欄には「危険すぎる」「一歩間違えば外に吹き飛ばされかねない」との声が相次ぎました。
さらに、建設中の高層ビルに設置されたタワークレーンが強風で大きく揺れる映像も投稿されました。巨大なクレーンが左右に振られる光景に、周辺住民からは「もし上陸時に倒壊すれば甚大な被害をもたらす」との不安の声が上がっています。
高層マンションに住む人からは、「台風がまだ上陸していないのに、すでに建物全体が揺れていて、まるで遊園地の“バイキング”に乗っているようだ」との声も寄せられています。「めまいがして吐きそう」「恐怖で落ち着かない」と不安を訴える声が広がりました。
陽江の住民は24日17時ごろ、「風がますます強まり、夜の上陸時には風速が15級以上になる恐れがある。すでに停電も発生している」とSNSに投稿し、不安を吐露しました。そのうえで「どうか皆が無事にこの台風を乗り越えられますように」と呼びかけました。
一方、珠海からは台風による高潮や海水の逆流が報告されています。近隣の公園が破壊されただけでなく、海水が市街地や住宅街にまで流れ込みました。映像には、強風にあおられた大量の海水が市内に押し寄せ、道路を瞬く間に冠水させる様子が映し出されています。
24日夜の時点で台風はまだ正式に上陸していませんが、すでにその影響の大きさは人々を震撼させています。中国当局は数日前から警戒を呼びかけ、防災対策を進めてきましたが、自然の猛威の前で人間の力が限られていることを改めて示しています。今回の台風による被害は、当初の予想を大きく上回る可能性があり、気象当局は沿岸部の住民に引き続き最大限の警戒を呼びかけています。
(翻訳・吉原木子)
