食卓でお馴染みの「ゆで卵」。お好みによってゆで方は様々ですが、一般的に、黄身がやわらかくパサパサせず、白身はやわらかくて弾力があることが「よくできたゆで卵」の条件とされています。
しかし、これはそう簡単ではありません。卵黄は65℃で固まり始めますが、卵白は85℃で固まり始めるため、卵黄と卵白の食感のバランスをとるのはかなり難しいことです。そのため、ゆで卵を作る場合、強火で加熱すると黄身がパサパサして固まってしまうけど、弱火でじっくり加熱すると白身がゼリー状になり、加熱不足の状態となってしまいます。
そこで、2月6日付の学術誌『Communications Engineering』に掲載された研究では、研究者たちは数百個の卵をゆで、数学を使ってこの難問をついに解決しました。
科学者たちの考え出した最終的な方法とは、沸騰したお湯のボウルと30℃のぬるま湯のボウルと、2つのボウルを用意して、2分ごとに交互にこの2つのボウルに卵を入れていきます。これを全部で8回繰り返し、計32分間茹でた後、流水で冷ましてから殻をむくというものでした。
手順は以下の通りです。まず鍋にお湯を沸かし、沸騰したお湯に卵を2分間入れてすくい上げた後、30度のぬるま湯の中に2分間入れてはすくい上げます。これを8回繰り返すことで、「超完璧な」ゆで卵が完成します。
研究者たちが行ったこのような調理法によって、卵の黄身は67℃の一定温度に保たれると、黄身の中心で固まりながらクリーム状になっていきます。白身は高温と低温を交互に繰り返すことで完全に固まります。
完璧なゆで卵ができたかどうかを確かめるため、研究者たちはゆで卵の化学成分を検査し、従来のゆで卵といっしょに8人の参加者に試食してもらいました。
ミネソタ大学の食品科学者であるジョアンヌ・スラヴィン氏は、AP通信の取材に対し、この新しい方法は、従来のゆで卵に比べると調理時間はかなりかかりますが、完璧な黄身と栄養(タンパク質)のあるゆで卵が食べられるなら、時間をかけるだけの価値があるかもしれないと語りました。
(翻訳・夜香木)

