4月17日、「広西チワン族自治区貴港市で深刻な干ばつ――池の魚が干物に、農地には握り拳程度の大きさのひび割れ」と題する報道が大きな注目を集め、SNSの検索ランキングでも話題となりました。

 『新京報』の報道によれば、4月15日、貴港市港北区方竹村の住民・楊さんは、村の池が干上がり、農地にも水がなく、灌漑ができない状況にあると訴えました。村民たちは干ばつ対策として井戸を掘り、水を求めて深夜まで順番待ちすることもあるといいます。

 91歳になる楊さんの祖母は、「これほど深刻な干ばつは、生まれてこのかた初めて見た」と語りました。

 ポータルサイト『搜狐(Sohu)』の人気ブロガー「金シャベル名人」は、4月15日の記事で、清明節の際に故郷である貴港に帰省した際の状況を伝えています。彼女は、村の入り口にある百年以上の歴史を持つ井戸のそばに、数百メートルにわたる行列ができていたのを目撃しました。

 記事ではこう描写されています。「隣村に嫁いだ三女が、肩に天秤棒を担ぎ、水を汲んだバケツが彼女の足取りに合わせて揺れていた。こぼれた水滴は、強い日差しの中ですぐに蒸発してしまう。三女は、『村の井戸はもう底が見えている』と乾いた唇で焦りながら語った。『今や各家庭がこの井戸に頼っていて、畑への灌漑も、食事の支度もすべてここからの水にかかっているのよ』と。」

 記事は続きます。「村の外に出ると、視界に広がるのは焦げたような大地と、干からびた木の枝が熱波に震えている光景。稲田では、本来なら膝丈まで育っているはずの苗がまばらにしか生えておらず、ひび割れた土壌の上で萎れている。中でも目を引いたのは、井戸のそばにある古びたポンプだ。真鍮製の井戸台は使い込まれて光を放ち、村長によれば、このポンプはここ半月以上、昼夜問わず稼働し続けているという。井戸縄には、指の半分ほどの厚さの塩の結晶がついていた。」

 例年であれば、清明節の頃にはとうもろこしはすでに収穫を終えている時期ですが、今年はまだ実りすら見られません。筆者の父は、焼けるように熱い畦道にしゃがみ込み、指の間には乾いた土が入り込んでいました。わずか半畝(約33坪)の畑に水をやったばかりでしたが、その水は3キロも離れた水庫から運んできたものです。隣家の伯父は洗面器でサトウキビの苗に水を注ぎながら、「水の方がガソリンより高くつく」とつぶやいていました。

 ブロガー「社会顕微鏡」は4月16日、広西チワン族自治区貴港市がこの春、かつてないほど深刻な長期干ばつに見舞われていると報じました。干ばつは農業生産に甚大な影響を及ぼしているだけでなく、地域住民の日常生活にも深刻な打撃を与えています。

 気象当局のデータによると、今年の貴港地域の降水量は平年の約半分にとどまり、加えて高温の日が続いたことで、水分の蒸発速度が急激に高まりました。これによりもともと限られていた水資源がさらに逼迫し、農作物の生育周期が大きく乱されるだけでなく、水産養殖業にも壊滅的な損害をもたらしています。自治区全体の1039の郷鎮のうち、431ヶ所が「重度干ばつ地域」に指定されています。

 特に心配されているのが稲作への影響です。貴港市覃塘区で大規模な稲作を営む李さんは、ブロガー「金シャベル名人」とともに自らの田んぼを案内しました。田面には無数の亀裂が走り、植えたばかりの稲苗は力なくしおれています。李さんは「このまま雨が降らなければ、今年の収穫はゼロかもしれません」と不安をにじませました。

 TikTok(抖音)には、各地の干ばつ被害を伝える映像が数多く投稿されています。桂林市の漓江では、水位が大幅に下がったことで遊覧船が乾いた河床に乗り上げ、船長はかつての水位を示す3メートル上の痕跡を指さしながら苦笑していました。百色市の果樹園では、農家がディーゼルポンプでほぼ干上がった水庫の底から泥水を汲み上げ、マンゴーの木に点滴灌漑しています。南寧郊外では、野菜農家たちが毎朝4時から畑に集まり、水路から1時間にわずか10分だけ流れる「命の水」を待ち構えています。

 干ばつの影響は、かつて「中国の糖都(シュガーキャピタル)」と呼ばれた広西崇左市にも及んでいます。記事によれば、本来は整然としているはずのサトウキビ畑は、今やバラバラに倒れ、宿根キビの茎も灰白色に変色し、健康状態が悪化しています。原料不足のため、地元の製糖工場は予定より2ヶ月早く稼働を停止。広い工場内には人気がなく、ベルトコンベアには数トン分の残渣だけが残っていました。農業技術員の黄さんは畑の端にしゃがみ込み、爪の間には乾いた泥が詰まっていました。「このままでは、春に撒いたキビは芽すら出てこない」と嘆きます。

 広西チワン族自治区気象局と農業農村庁は、4月15日付で今後10日間の甘蔗干ばつ災害リスク予測を共同で発表しました。予測によると、桂中・桂南の蔗作地域では、干ばつ災害リスクが中~高水準に達する見込みです。崇左、南寧、来賓、百色、貴港、欽州の広い範囲、そして河池東南部など、甘蔗の主要産地における干ばつ影響は、全自治区のサトウキビ栽培面積の約67.43%を占めるとされています。

 当局は、気象条件に応じた人工降雨の実施や、井戸・河川・貯水池・スプリンクラー・潅水ホースなどあらゆる手段を活用して灌漑を行い、発芽率と成長を確保し、干ばつによる農業への被害を最小限に抑えるよう呼びかけています。

(翻訳・吉原木子)