中国の大都市、北京、上海、広州、深センでは、かつて賑わっていた商業地や街角が閑散としています。近年、ネット上では「無人村」と呼ばれる動画が増え、都市部においてもショッピングモールや公共交通機関に人影がほとんど見られない状況が続いています。
かつて14億人以上の人口を誇った中国において、このような光景は予想外の変化であり、ネットユーザーや専門家たちは、この人口減少の背後にある理由を探ろうとしています。中でも、2022年のデータ流出や、最近のAIによる推計などが、実際の人口減少を浮き彫りにし、その影響は農村から都市、さらには全土に及んでいることが明らかになりつつあります。このような変動が示す中国社会の未来は、ますます不透明なものとなっているのです。
では、中国の人々は一体どこに行ったのでしょうか?
都市が閑散 公式統計は減少ではなく増加を示す
中国事情に詳しい(独立系)テレビプロデューサーの李軍氏は新唐人の番組『菁英論壇』で、深セン市では以前ほど人が多くないという報道があり、多くの工場が人手不足で倒産の危機に直面していると述べました。都市部の村の住宅は、貸し手が見つからず、家賃を引き下げなければならない状況です。かつて深セン市は膨大な地方から来た出稼ぎ労働者を抱え、誰もが深セン市での発展を望んだ結果、深セン市は一時期人で溢れかえっていました。しかし、現実には人口が減少しているにもかかわらず、公式の調査結果は深センの人口が増加していることを示しています。
アメリカの中国語メディア「人民報」による3月24日の動画では、中国の人口急減現象が北京、上海、広州、深センの都市で目に見えるように現れていると報じています。都市から県城、さらには農村に至るまで、全国的にこの現象が広がっています。
中国のネットユーザーたちは、都市が閑散としており、農村も寂れている現状に対して、「14億人は一体どこに消えたのか」と疑問を呈しています。
動画では、男性が空っぽの街角に立ち驚きながら言いました。「北京の人々は今どこに行ったのだろう?ショッピングモールには人が見当たらず、街にも人がいない。とにかく北京の人々はますます少なくなっている!ショッピングモールや地下鉄の乗客が以前の半分ほどに減った」
別の男性は、昼間に北京の西単商店街に立ち、まばらに数人しか見かけませんでした。
上海市で最も繁華な徐家匯(じょかわい)では、多くの商店が空き店舗となっています。一人の男性は感嘆しながら言いました。「ここは以前、まさに土地が金のように高価で、店舗を借りるのが難しかった場所だった」
別の男性はこう言いました。「上海のバス、ほとんど人がいないね。車内には一人もいないし、道路にも人がいない。いったい人々はどこに行ったのだろうか?」
広州市の空っぽな大通りで、一人の男性は次のように言いました。「街にある商店の多くは空っぽで、都市部の住宅もほとんど借り手がいない。今、広州市の人々は一体どこに行ったのだろうか?」
別の高齢の男性は、週末の深センについて話し、住宅地や街、ショッピングモール、夜市には誰もいないし、友人の会社でも、応募者がいないと述べています。
一人の女性は「食べ物や服を売っている店がなくなっている。人々はどこに行ったのか、本当にわからない!」と述べました。
せいぜい7~8億人しかいない?
2019年に新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)のパンデミックが発生して以来、中国共産党が感染症の真実を隠蔽したため、3年間のパンデミック中に中国で実際に何人が死亡したのかは依然として謎となっています。2022年7月には、上海市公安局のデータベースがネット上に流出し、そのデータベースには10億人分の個人情報しか含まれていませんでした。
最近、マスク氏の人工知能推理モデル「Grok 3」が、中国人の旧正月の消費データや旅客輸送量、GDPの成長率、失業率などを元に推算した結果、3年間のパンデミック期間中に中国の人口は1.5億人から2億人減少したとされています。
李軍氏は『菁英フォーラム』で、「Xプラットフォームで見た分析によると、中国人の食塩消費量から推算した結果、中国の人口は8億人から10億人に減少した可能性がある」と述べました。
これについて、中国のソーシャルメディアでは、安徽省、遼寧省、福建省、江蘇省などのネットユーザーからのコメントが殺到しています。
「今日は2025年2月だが、公安システムのネットユーザーが言うには、ネット上の登録人口は7.6億人だそうだ。びっくり!」
「こんなに少ないのか、このデータはほぼ半分近くも減っているよ!」
「みんな、自分が住んでいる都市の人が突然いなくなったように感じないか?北京、上海、広州、深センといった一線都市でも、三線、四線、五線、さらには農村でも誰もいないんじゃないか?2024年に発表された公式の中国の人口は14億828万人だったはずだ!もし今の(人口が少ない)感じが本当なら、まったく14億人の中国には見えない!以前、11億人だったときも、こんなに人が少ないなんて見たことがなかった!ショッピングモールには人がいない、街にも人がいない、高速道路にも人がいない、観光地にも人がいない、都市にも人がいない、農村にも人がいない、屋台にも人がいない。今、唯一人が多いのは、病院と火葬場だけだ。この二つの場所のデータは非常に異常だ。最も異常なのは人口の若年化だ。ここ(病院と火葬場)では毎日、たくさんの人が泣き叫んでいる!」
中国にはどれだけの人口が残っているのか?
アメリカ在住の中国出身の盲目の人権弁護士、陳光誠(ちん・こうせい)氏は『菁英論壇』で、中国の人口が大幅に減少していることは否定できない事実であると述べました。
彼によると、ここ数年間、中国の出生率は毎年200万人以上のペースで減少しているとのことです。中国共産党の無謀な行動により、中国の河川や大気は汚染され、多くの人々が不可解な難病に罹患し、亡くなる人が増え続け、亡くなる人の年齢もどんどん若くなっています。多くの人が30代や40代、50代で亡くなっており、これは以前では非常に稀なことでした。特に農村では、脳血栓や心臓疾患の発病率が非常に高いと言います。
陳光誠氏はさらに次のように述べました。
「先日、私が山東省の故郷に電話をかけたところ、ある村人が私にこう言った。『最近、ある現象が発見されている。かつて私たちが計画生育や中絶、避妊に反対していた地域では、今でも学校に通う学生が多い。しかし、他の地域では、学校に生徒が集まらない』」
陳光誠氏は、中国共産党の暴力的な計画生育政策が中国国民にもたらした苦しみと悪影響が、今になって徐々に明らかになり始めていると指摘しています。数年後、高齢化が進む中国で、もし近い将来、3億人の高齢者が一度に亡くなった場合、中国の人口は急激に減少するため、将来が非常に恐ろしいことになると警告しています。
(翻訳・藍彧)
