最近、中国で未完成の450メートル以上の超高層ビルの統計表がネット上に出回っており、その半数以上が未完成のまま放置されていることが明らかになりました。

 この統計表には、31棟の超高層ビルが記載されており、そのうち19棟が未完成のまま放置された状態で、全体の60%以上を占めています。

 四川省成都市で、緑地集団が2012年7月に120億元(約2500億円)を投じて、建設を開始した「蜀峰468(しょくほうシロヤ)」プロジェクトは、2019年の竣工を予定していましたが、期日を守ることができませんでした。緑地集団は工事中断の噂を否定しましたが、現在、ビルは完成まであと20メートルのところで工事が中断しています。

 湖北省武漢市では、数百億元を投資した4棟の超高層ビルが建設されました。これらのプロジェクトは2018年に始まりましたが、そのうちの「楚商大厦(そしょうたいか)」は、武漢市の複数の有名な民間企業が共同で出資して建設を始めました。しかし、開始後すぐに工事が中断し、現在はほぼ放棄された状態です。他の3棟も同じ状況にあります。

 浙江省寧波市の「恒大都市之光(こうだいとしのひかり)」プロジェクトは2011年に始まり、総投資額は約130億元(約2700億円)で、450メートルの高さが注目されました。恒大グループはかつて2026年に完成する計画を発表しましたが、恒大の財務危機の勃発に伴い、工事は中断されています。

 広東省深セン市の「湖貝タワー(こかいタワー)」の設計高さは838メートルから499メートルに調整され、2022年から現在まで数十メートルしか建設されていません。深港国際センターの設計高さも700メートルから600メートルに調整され、着工してからまもなく工事は中断されました。

 広州市のツインタワーはすでに完成していますが、高さも530メートルから230メートルに低下しています。

 中国問題の専門家である王赫氏は大紀元の記者に対して、これらのビルが計画されたのは数年前で、中国の不動産市場が非常に活況だった時期にあたり、建設中断の大量発生は不動産バブルが崩壊した背景下で起こっていると指摘しました。

 2021年以降、恒大グループの財務危機が発生し、中国の不動産企業の倒産の序幕を開きました。2023年8月24日現在、中国の大手不動産企業30社以上が財務問題を抱えています。

 王赫氏は、「現在、住宅市場すら困難になっており、超高層商業ビルの未完成問題はますます解決できず、放置状態が続くしかない」と述べました。

(翻訳・吉原木子)