(写真/牛彬)

 3日連続で札止めの盛況の中、東京公演も最終日を迎えた。団員たちの素晴らしい演技に、観客席から惜しみない拍手が送られた。取材の中で「また来年も来ます」という声も多く聞かれた。

寺田晴彦さん夫妻(写真/大江)

 「大変面白かったです。ただ中国のブラックなところが気になりました」という寺田晴彦さん。大手製造企業で管理職をしている。

 現代中国の演目で表現される法輪功学習者に対する中国政府の暴力的な弾圧に寺田さんは「初めて知りました。日本にいてもなかなかそういう情報を知ることができないですね」と驚いた様子を見せた。神韻芸術団は中国の伝統文化を紹介するとともに、2006年から一貫して中国国内で法輪功学習者が受けている弾圧の実態を舞踊で表現し、人々に真実を伝え続けている。

 「中国の古典舞踊が美しかった」という寺田さん。神韻のような舞台がもっと広まれば日中関係も良くなるのではないかという。同伴の奥さまも「神韻のパフォーマンスのクオリティが高く、また衣装が美しく、舞踊が背景画面と連動して効果を出しているのも楽しかったし、中国の古い伝統文化を表現しながらもウィットに富んだ演目もあり楽しめた」と語った。

 寺田さんは神韻の舞台から「人間は神様というものに守られていて、信じるものは救われるという気持ちを持っていろいろな人たちと接することが大事だ」ということを感じさせられたという。伝統文化について「日本も中国も近代化して昔からのものが失われていくのは寂しい。失わないようにしたほうがいいと思います」と語った。

橘恵美さん(写真/盧勇)

 「中国の雑技でもないしバレエでもないし、特別な世界観があって素晴らしい」と語る橘恵美さんは、ダンススクールを主催している。神韻のダンサーたちの舞踊を見て創作意欲が湧いてきたという

 「神韻の中国古典舞踊はアメリカの直接的な舞踊とは違い、心の中にすっとはいってきた」より演技をダイナミックに力強くするためにダンサーたちは手足を長く使う。橘さんは「神韻のダンサーたちには身体の中心から湧き出るようなパワーがあり、しなやかさで力強く躍動する男性の舞踊に目を奪われた」と語った。

 「演目の中に見られる、中国のそれぞれの歴史時期の伝統的な衣装や3Dの背景など中国伝統文化の独特な色彩とあいまって、バレエともミュージカルともまったく違う世界観が醸し出されていて勉強になった」と語った。

中村孝蔵さん(写真/任子慧)

 「男性の舞踊は力強く女性は柔らかい。生のオーケストラも迫力があってよかった」という中村孝蔵さん。室内装飾の会社の取締役として経営に携わっている。

 一緒に連れ立って来た男性も演目の中でコミカルなところに「ちょっと笑えるところがあって楽しかった。一言も話さなくてもわかる」とダンサーの舞踊のもつ表現力に驚かされたという。

 日本舞踊をしているという同伴の女性は、「手の先にまで神経が行き届いているようなところは日本舞踊と通じるものがあってきれいだった」と語った。また「日本にはない色使いに目を奪われた」明るい色が多く、元気が出たという。

 また「二胡のビブラートの切ない音の美しさに心が震えた。オーケストラの音もきれいで迫力があった」と述べた。

 中国で神韻公演が出来ないということに3人は「伝統的な中国の文化は大切にしなければならない」「こんな素晴らしいものを他の国で見なくちゃいけないなんて、中国でもできるといいのに」と声をあげた。

(文/大道修)

(大紀元より転載)