現在流行している『武漢肺炎(2019年新型コロナウイルス肺炎)』が国際的緊急事態となり、WHO(世界保健機関)は1月30日、正式に『武漢肺炎』を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言し、この新型コロナウイルスを『2019-nCoV』と命名した。

 WHO事務局長テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)は記者会見で「我々の最大の懸念はウイルスがより脆弱な医療制度の国に伝播する事だ」と述べた。

 WHOは全世界で少なくとも18ヶ国の人が感染したこの状況を『PHEIC (Public Health Emergency of International Concern:国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)』と宣言した。

 『PHEIC』は比較的に新しいツールであり、2002年SARSが発生した後に導入され、WHOにより『PHEIC』が宣言されたのは、今回で6回目だ。

 2009年4月:新型インフルエンザ(H1N1)。
 2014年5月:野生型ポリオ(小児麻痺)
 2014年8月: エボラ出血熱(西アフリカ)
 2016年2月:2015年のジカ熱(Zika)
 2019年7月:2018~2019年のエボラ出血熱(コンゴ民主共和国)
 2020年1月:コロナウイルス(2019-nCoV)

 『PHEIC』は何を意味するのか。

 これはWHOによる新型コロナウイルスについての一連の勧告を意味し、世界すべて国家がどのようにして国境を越えた感染を予防或いは制限すべきかを助言する。同時に、感染による貿易損失や不必要な旅行も避けなければならない。

 また、各国の衛生当局に専門医療に関する勧告を行い、感染状況の監視、予防、感染拡大の制御をサポートする。

 WHOは、勧告に従わない加盟国を罰することはできないが、政府が緊急時に下す旅行や貿易の決定に科学的根拠で介入することができる。

(翻訳・柳生和樹)