最近、ある「冬の深夜、デリバリーの兄さんが骨折しても120番に電話できない」というニュースがネットユーザーの関心を集めました。

 上海の公式メディア「解放日報」12日の報道によると、復旦大学東門外で12日夜、42歳のデリバリーの向建軍さんが、逆走する二人の歩行者を避けようとして、電動バイクがコントロールを失い、ガードレールに衝突したとのことです。

 現場にいた復旦大学の学生である程栗さん(仮名)は、急いで120番に電話しようとしましたが、向さんは即座に「120番はお金がかかるから、110番だ!」と言いました。23時45分、警察と救急車が到着しました。向さんは担架に乗せられ、痛みで意識がもうろうとして、自分の身分証の番号すら言えませんでした。現場にいた復旦大学の学生である胡嘉さん(仮名)は、彼と一緒に病院に行くことを決意しました。

 病院の検査の結果、向さんは「左大腿骨幹骨折」で手術が必要であることが分かりました。医師はすぐに入院して手術することを要求しましたが、向さんは高額の医療費を支払えなく、治療を受けずに、家に帰ることしかできませんでした。

 報道によると、向さんには二つの保険がありましたが、どちらも手続きが複雑で、すぐに彼の入院費用を支払ってくれないとのことです。

 一方、復旦大学の学生が向さんのために、SNSで助けを求める投稿をし、社会各界に寄付を呼びかけました。「極目新聞」によると、熱心な大学生の呼びかけにより、向さんのことが社会的な関心を呼び、わずか3時間で5万元(約100万円)が集まりました。このお金のおかげで、向さんはすぐに手術を受けられました。

 向さんのことは、多くの人々の関心を引きました。一部のネットユーザーは、「見ていて本当に心が痛む、骨折しても、お金を使いたくないから病院に行きたくないなんて」、「やっぱり親切な人が多い、親切な学生や寄付をした善良な人々に感謝します」とコメントしました。

(翻訳・吉原木子)