天気が徐々に寒くなるにつれて、多くの人々が防寒対策として、ダウンジャケットを着始めました。しかし、中国では20年以上も前の「軍服式コート」が大人気となっています。そのきっかけは、ある中国の大学生が冬を過ごすためのダウンジャケットを、買おうとしたことです。ところが価格を調べてみると、ダウンジャケットが千元(約2万円)以上もし、とても自分で消費できるものではないことが分かりました。結局、仕方なく、デザインがダサい「軍服式コート」しか買えませんでした。最初の時、その大学生はダサい服を着ていることで、友達や同級生に笑われるのではないかと心配していました。しかし、周囲の友達が「軍服式コート」の価格を知ると、次々と注文をし始めました。数日も経たないうちに、学校の多くの学生が「軍服式コート」を着るようになりました。そして、彼らは「軍服式コート」を着ている様子を撮影し、ネット上に投稿した後、全国各地で「軍服式コート」が大人気となりました。

 1980年代初頭、中国の多くの地域では、兵役は大学進学に次ぐ若者の選択肢であり、軍服も多くの人々の憧れとなりました。当時は物質的に貧しい時代で、緑の軍服は一種のファッションとなっていました。このような背景の中で、おしゃれで暖かい「軍服式コート」が流行し、その風潮は90年代まで続きました。その後、革ジャンやダウンジャケットに取って代わられました。したがって、現在の多くの若者にとって、「軍服式コート」は時代遅れで田舎臭いものであり、それを着るのは農村のお年寄りや、出稼ぎ労働者だけのイメージがあります。しかし、今日では「軍服式コート」が再びファッショナブルになり、それには偶然性と必然性があります。

 ここ数年、中国経済の発展は滞り、外国資本が相次いで撤退し、多くの人々が給与カットや失業に直面しています。一方、物価は高騰を続け、多くのものの価格はここ数年で数倍になっています。普通のダウンジャケットが数百元から数千元もします。そのため、高価でデザインの良いダウンジャケットより、地味だが安い「軍服式コート」が多くの人々の最優先選択となっています。

 服だけでなく、ますます多くの中国人が、自分たちの生活品質が徐々に低下していることに気づいています。以前はよく外食をしていた人も、今では家で料理を作るようになりました。週末に映画館やカラオケに行っていた人たちも、行かなくなりました。かつてはスターバックスで飲んでいたコーヒーも、インスタントコーヒーや安価なコーヒーに置き換わりました。「消費ダウングレード」が最も頻繁に提起される言葉の1つになりました。一部のネットユーザーは、「今でも、中国人はお金を持っているが、無駄遣いはしないだけだと言う専門家もいるが、それは嘘だ。実際には、私たちは本当にお金がなく、使いたくてもお金がないのだ」とコメントしました。

 動画1:皆さんがどんな感じかはわからないけど、最近、私は自分の消費のレベルが下がっていることを明らかに感じた。服や靴を買うとき、セール品しか買えない。数十元から百数十元程度(10元は約207円)のものしか買えない。この数日で寒くなってきたので、服を買おうと思った。しかし、ショッピングモールに行ってみたら、冬服が1着なんと500元(約1万元)以上かかる。それを見ていて、胸が苦しくなる。そして、ユニクロのセール品コーナーに行って、このような服は149元(約3100円)かかる。基本的に高価な服は買わない。2年前はまだこんな感じではなかったけど、本当に消費のレベルが下がっている。

 動画2:今年の物価は本当に途方もないと思う。今日、母親と買い物に行ったとき、羽毛ジャケットを買おうと思った。1着はなんと1000元(約2万円)以上もするんだ。そして、いくつかの店に行ってみたが、どれもこの値段だった。特に有名なブランドでもなく、普通の羽毛ジャケットなのに。その後、私たちはスーパーマーケットへシャンプーを買いに行ったが、元値は86元、セールで59.9元(約1200円)もする。歯磨き粉も1本数十元だった。私は普段、料理をするが、エビを買おうと思ったら5尾で15元(約300元)もかかった。リンゴも1つ5元(約100円)だった。以前、十数元で3回分の食事ができたのに、今は1回の料理の材料費がデリバリーより高い場合もある。私の住んでいる小さな町の平均給与はわずか4000~5000元(約8.3万円~10.3万円)しかない。冬に服が欲しくなったり、果物が食べたくなったりするのは、無理な要求ではないよね。しかし先日、チェリを買おうと思ったが、1800グラム 199元(約4150円)だった。本当に高すぎる。最近、みんなが「消費ダウングレード」と言っているので、ちょっと格下の製品を買おうと思っていたが、今は格下の製品すら買えなくなっている。もっと格下の製品を買うしかない。私は副収入があっても、この価格は少し高いと思う。ましてや、もっと収入の低い人はどうだろう。以前、私の月給はわずか2000元(約4.1万円)しかない時、物価がまだこんなに高くなくて、それでも私は生活が大変だと感じていた。

 動画3:今の物価について本当に言いたいことがある。もう我慢できない。昨夜、私は家の近くの薬局でガラス製の体温計を買おうとした。たまたまちょうどおつりがあったので、1元程度のおつりを持って行った。体温計は1元か2元程度だろうと思った。薬局に行って体温計を取り、会計をしようとしたら、店員に値段を尋ねたところ、6元(約120円)と言った。6元?本当にびっくりした。「6元?もしかしてコロナの時に値上がりして、今も値段が戻っていませんか?」と言ったら、「違いますよ、こちらではずっとこの値段で売っています」と答えた。本当に訳がわからなくなった。私が覚え違いをしているのだろうか。たった1〜2元のものではなかったのか?こんなに物価が上がっているなんて信じられない。また、以前はサトウキビが約10元で買えた。昨夜、子供がサトウキビが食べたいと言ったので、値段を尋ねたら600グラム3元(約60円)だと言われた。それで1本くださいと言ったら、会計の時になんと35元も請求された。本当にびっくりした。1本のサトウキビに35元もするんだ。もう買う余裕がない。家に帰っても食べることを惜しんで、子供達に「お母さん食べたくないから、あなた達食べて」と言った。

 動画4:この世界の物価はすでに私の想像を超えただろうか。それとも、皆さんはすでに幸せな生活を送っていて、知らせてくれなかったのか?今日、私は髪を切りに行った。シャンプーをしてもらう時、「こちらの美容院でカットはいくらですか」と気軽に聞いたが、スタッフは「88元(約1800円)です」と言われた。私は「何ですって?88元?」と驚いて、「聞き間違いじゃないよね」と言って、すぐにその店を出た。88元は本当に高すぎると感じた。後で他の店に行く気がなくなり、結局その店に戻った。前髪だけ切ってもらうのはいくらですかと尋ねると、48元(約1000円)ですと言われた。仕方なく、48元を支払って、そこであまり良くない前髪を切ってもらった。この世界の物価はいったいどうなっているの?私の知らない間に物価が数倍になっているような気がする。私はこの時代から脱線してしまっただろうか?皆さんは私の知らない間に幸せな生活を暮らせるようになったのか?皆さんは月給がすでに1万元を超えたか?私だけが貧乏人なのか?

 動画5:あなた達、スイーツ屋さんはもう狂ってるの?今日は仕事を終えてちょっとパンを買おうと思ったら、その値段に本当に驚いてしまった。私の認識ではパンは数元で買えるものだ。今日初めて気付いた。握り拳くらい大きさのパンが一個20元(約415円)もするんだ。エッグタルトが1つ9元(約185円)で、ミニスライスケーキが1つ28元(約580円)で、手のひらサイズのチーズケーキが40元(約830円)で、クリームロールが50元(約1030円)だ。青島の物価が高いことは知っているが、この物価は上海を超えようとしているのか?青島ならではの物価を作りたいの?こんな魅力的で精巧なケーキで合法的に奪い取ろうとしているの? 貧乏な私も資本家と戦わなくてはいけないようだ。

(翻訳・吉原木子)