ウィグル族の服を着ている新疆ウイグル自治区カシュガル地区の女の子(Wikimedia Commons/Gusjer from Aranjuez, Spain, CC BY 2.0

 中国政府は新疆(ウイグル自治区)で、ウィグル族の子どもたちを家族から引き離し、寄宿学校に入れる運動を展開している。その背後には、共産党に忠誠を尽くすように仕向けるという狙いがある。

 ニューヨークタイムズは12月28日、新疆の寄宿学校について詳しく報じた。中国教育部が2017年に発表した企画文書によると、2017年初めまでに約50万のウイグル族の児童が寄宿学校に入れされ、家族との分離を余儀なくされたことがわかった。新疆(ウイグル自治区)の町に来年末までに大規模な寄宿学校の建設が計画されている。同文書は、寄宿学校の趣旨の一つとして、「学校で科学を学び、家で経を聞くという思相観念の衝突を防ぐこと」が盛り込まれている。

 報道によると、寄宿学校の生徒の多くは両親や他の親族などの保護者が拘束され、保護者の同意なしに強制的に通わされている。寄宿学校に通っている子どもたちは、毎週または2週間に1度しか家族と会うことができない。同文書によると、子どもに宗教的な雰囲気に影響されないようにするためだという。

 30歳のトフティ(Abdurahman Tohti)さんは2013年に新疆を離れ、トルコに移住した。数年前、妻と2人の子供が中国に戻ってから行方不明になった。トフティさんは2019年1月に、中国のソーシャルメディアに掲載された動画で、4歳の息子を見つけた。息子が寄宿学校で中国語を話している映像があった。家族間の会話は中国語を使っていない。トフティさんは息子を見つけた喜びを感じると同時に、絶望した。「私が最も心配しているのは、中国政府が両親とウイグル文化を恨むように教えることだ」と不安を隠せなかった。

 33歳のニアズ(Mahmutjan Niyaz)さんは2016年にトルコのイスタンブールに移住し、5歳の娘を弟と弟嫁に預けた。中国政府は現在、ニアズさんの弟と弟嫁を収容し、彼の娘を寄宿学校に送った。ニアズさんは、別の親戚が娘の面倒を見ることができるはずだったが、当局に断られたという。ニアズさんは「昔、私の娘は活発だったが、学校に行った後の写真ではとても悲しそうだった」と話した。

 寄宿学校の中国語教師のカン(Kang Jide)さんはブログで、家族と離ればなれになったことが子どもたちに与えた影響に言及した。一部の子どもは寄宿学校に送られてから、二度と家族に会うことができなかった。カンさんは生徒に彼の携帯電話で両親に電話させることをよく頼まれた。「子どもたちは電話から両親の声を聞くと、泣き出してしまうので、見られないように隅に隠れる」「子供たちだけではない。もちろん、その両親も子どもに震え会いたがっているだろう」と綴った。

 同紙によると、新疆政府は中国当局の運動を進めるのに、中国各地から数万人の教師を募集している。また、ウイグル族の教育者を警告し、抵抗すれば収容となる。一部有名な教師は監禁されている。現在、新疆の学校ではウイグル語の代わりに中国語がすでに主要言語となる。中小学校における中国語の3年前までは38%の学校に過ぎなかったが、今では大半の学校が中国語使用を徹底している。ウイグル人の人権関係者は、中国共産党のこの運働はウイグル族の文化を消滅させようとしていると示した。

(翻訳・柳生和樹)

 

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