中国共産党政権が主導する強制臓器収奪を調査する国際NGO団体「法輪功迫害追跡国際調査国際組織(WOIPFG)(以下、追査国際)」は、7月17日に中国での最初の生体臓器収奪被害者が臨終前に語った衝撃的な証言を同組織のウェブサイトで公表しました。この重要な事実について、弊社『看中国』は、「追査国際」代表の汪志遠氏に独占取材を行いました。

 汪志遠氏によると、「追査国際」がすでに被害者の遺体を受け取ったと述べ、国際社会に対して中国共産党の責任を追及し、直ちに行動を起こすよう呼びかけました。

 汪氏によると、法輪功学習者・張秀琴氏(女性)の生体臓器収奪事件は2019年4月28日の午前8時頃に発生し、「追査国際」は2020年12月に告発情報を受け取ったとされています。汪氏は、証人や多くの正義の人々の協力を得て、中国共産党の厳重な封鎖を突破し、2年以上の時間をかけて事件の証拠の収集、整理、分析をほぼ完了させたと述べました。

 「追査国際」が公表した内容によると、張秀琴氏は、中国黒竜江省ハルビン市の211軍病院感染症科で片方の腎臓を収奪された後、臨終前に一人の医師に対して拷問、虐待、生体臓器収奪についての証言を残しました。彼女の遺体はその医師によって保管され、張秀琴氏が亡くなる前に会話し、彼女の遺言を動画に記録し、後に「追査国際」に告発したとのことです。汪氏は、当事者の安全を保護し、証人の意思を尊重するため、いくつかの重要な証拠は現在公表できないと述べました。

 「追査国際」が公表した張秀琴氏の証言によると、彼女は生体臓器を収奪された当時46歳で、山東省萊州市の出身でした。彼女は民衆に法輪功の真相を伝えたことが原因で、何度も中国の警察に家宅捜索や拘束を受け、2年間の強制労働をさせられ、さらに3年半の刑を言い渡され、長期間にわたり迫害を受けてきました。

 2018年末、張秀琴氏は再び拘束され、さまざまな拷問を受け、ひいては強姦まで受けるという非人道的な扱いを受けました。その半年後、ハルビン市の211軍病院に移送され、片方の腎臓が生きたままで収奪されました。他の主要な内臓もすべて切り開かれて検査されましたが、過酷な拷問を受けた結果、器官がひどく損傷して移植に使用できないため、強制摘出されなかったとされています。その際、張秀琴氏にはおそらく麻酔を施さずに手術が行われたことが指摘されています。

 彼女の体には多くの傷口が切り開かれたままであり、縫合も行われていない状態で放置されていたとのことです。

 張秀琴氏の腎臓が収奪された後、彼女は臨終の際に一人の医師に法輪功の真相を伝え、良心のあるその医師に真相を世に伝えるように頼みました。その医師は彼女の臨終前の証言を動画に記録しました。

 汪志遠氏が『看中国』に語ったところによると、中国共産党は2015年に外部に対して死刑囚の臓器の使用を停止し、市民からの無償提供が唯一の移植臓器の供給源であると発表しました。しかし、張秀琴氏の生体臓器収奪は2019年4月に行われたものであり、これは中国共産党による法輪功学習者の臓器収奪の犯罪が停止されていないことであり、「追査国際」のこれまでの報告を再び裏付けることになります。

医師の回想、生体臓器収奪現場の『遺体』が蘇る

 「追査国際」によると、その医師は次のように回想を語りました。

 「2019年4月28日の午前8時頃、彼ら(生体臓器収奪に関与した医師たち)は、生きている人を連れてきて、強制的に臓器を摘出する手術を行った。このような摘出手術はこれまでに十数回行われてきたことで、関与者全員の暗黙の了解の中で行われ、誰も何も質問をしなかった。手術は非常に迅速に終了し、その後、彼らは必要な臓器を持ち去った。彼らは私たちの病院の人ではないし、私たちは彼らの正体も、臓器収奪される人についても、一切知らない。それに、毎回異なる人々が来る。私たちは解放軍のハルビン211軍病院の感染科で、手術後の遺体は汚染物として処理されるよう指示されている。つまり、遺体は密封され、消毒された後、そのまま火葬され、途中で開封することはなかった。だからこそ、彼らはこうした手術を私たちの病院で行っていたのだ。なぜなら、この手法は非常に隠密性があり、証拠隠滅にも便利だったのだ。

 その日も、彼らは器官の摘出を終えるとすぐに去った。私は後片付けを担当していた。片付けの過程で、突然、誰かが私の服をつかんできた。私はびっくりしたが、手術台に横たわっていたその人が器官を収奪されてもまだ生きていることに気づいた。私はよく見ると、彼女は片方の腎臓を収奪されており、肝臓の部分も切り開かれていたが、摘出されていなかった。おそらく、(迫害で)内蔵がひどく損傷していたため、使用することができないからだろう。他の器官も同様に損傷しており、使用することができないため、一切手をつけられなかった。

 彼女は明らかに酷刑を受けており、体中に多くの傷痕があった。内臓の損傷が深刻で、使用可能な器官はほとんど残っていなかった。彼女の切り開かれた傷口は縫合すらしておらず、このような状態で生き残ることは不可能だから、誰も彼女が生きているとは思わないだろう。彼女は『助けて』と言った後、再び意識を失った。

 私は彼女を備品の保管室に連れて行った。目の前で患者がそのまま亡くなるのを見られないという医師の本能だろうか、私は彼女にブドウ糖や鎮痛薬などの薬を注射し、傷口を簡単に縫合してから、彼女のそばで見守ることにした。夜になると、彼女は再び目を覚まし、私を見ると助けを求めた。私は『もう助けることはできない』と告げた。彼女も自分が助からないと分かっていた。ただ、自分が受けた邪悪な迫害を公にし、世の人々に知らせたいと私に頼んだ。私はその能力がないと答えた。彼女はしばらく沈黙し、その後、自らの体験を話し始めた。そこで初めて彼女が法輪功学習者であることを知った。私は当時とても緊張して怖かったが、もうこうなってしまった以上、彼女の話を聞くことにした。彼女は法輪功についてたくさん話したが、当時は緊張で怖かったあまり、彼女が話す内容に耳を傾けることが難しかった。それから、彼女は中国共産党による法輪功学習者への迫害について、さまざまな拷問や虐待、そして多くの学習者が生きたままで器官収奪されているという恐ろしい事実について語った。私はその話に非常に驚かされた。

 私がここに来て2年ほどを振り返ると、自分が関わったこのような手術は数十回にも上り、本当に恐ろしいことだ」

張秀琴氏の遺言・証言

 その医師は、張秀琴氏が中国共産党の邪悪を暴き、冤罪を晴らすために協力を求める言葉に心を動かされ、証拠の記録を手伝うことに決意したと述べました。

 「追査国際」によると、張秀琴氏は臨終の際、次の証言を残しました。

 「皆さん、この動画をご覧になる頃には、私はすでにこの世にはいないだろう。どうか覚えてください。私は中国共産党による生体臓器収奪によって殺害された法輪功学習者で、名前は張秀琴だ。今日の午前、私はここに連れてこられ、強制的に腎臓を収奪された。見ての通り、私は今まだ生きている。これは邪悪な中国共産党が一貫して否定してきた生体臓器収奪の事実なのだ。このような邪悪で非人道的な犯罪が一刻も早く明るみに出ることを願っている!すべての悪が続かないように!信仰のために無実の人々が虐待や殺害を受けないように!私の死が世界の良心を目覚めさせることを願っている!」

 彼女が証言した動画は非常に長いものでした。張秀琴氏は、自分が投獄され、その後、刑務所から生きたまま臓器収奪を行う待機場所に移送されるまでの過程を詳しく語りました。中国共産党が法輪功学習者を迫害する手段の残酷さについても言及しており、その真実が世界に知られることの重要性を訴えました。

汪志遠氏「これは紛れもない事実」

 汪氏は、張秀琴氏の遺言がこれまでのところ、唯一の生きたままで臓器収奪された被害者の証言であり、また唯一の保存された被害者の遺体であり、中国共産党が犯した反人類罪の動かぬ証拠であると述べました。

 張秀琴氏のケースは、「追査国際」が10年以上にわたって行った徹底な調査で明らかになった結論を再び確認しているとのことです。つまり、1999年以来、江沢民元総書記を初めとする中国共産党の犯罪グループが、政法委員会と「610弁公室」を通じて、党、政府、軍隊、武装警察、司法機関、医療機関を含む国家の全ての機関を操作し、全国規模で生体臓器収奪を行い、法輪功学習者に対して大々的な大量虐殺を行っているとの報告書を裏付けています。

 汪氏は、「中国共産党は法輪功学習者を大量に抹殺しているだけでなく、実際には生体臓器収奪は人類のモラルの根源を徹底的に破壊するものであり、人類を破滅に引きずり込もうとしている」と述べました。

 この重大な事実を世界に知らせるために、汪氏は世界各国の政府、組織、正義の人々に対して直ちに行動を起こすよう呼びかけました。また、「追査国際」の関連報告書や動画を広く拡散し、中国共産党の反人類罪を徹底的に清算する必要性を訴えました。「これは人類の自己防衛戦に関わるものであり、すべての人命の安全にかかわるものだ」と強調しました。

(翻訳・藍彧)