米国ニューヨーク・マンハッタンに拠点を置く非営利・独立系の報道組織である「プロパブリカ(ProPublica)」は7月12日、中国共産党政権が海外各国の「中国マフィア(中国人による犯罪組織)」と「無法者同盟」と呼ばれる組織を形成し、相互に結託して海外華人を迫害しているという調査報道を発表しました。

 報道によると、過去にヨーロッパ諸国で発生した華人コミュニティの殺人事件の数々から、中国マフィアが西側社会に浸透し、富を蓄え、影響力を行使して華人コミュニティの活動を支配する役割を果たしていることが明らかになっています。

 裁判資料、法執行機関や治安当局の関係者、および中国メディアの報道によって明らかになっているように、海外の中国マフィアのメンバーやその共犯者は、海外の華僑組織での役職を利用して、街頭で政治的な影響力を強化しています。同時に、彼らは来訪する中国高官の接待や歓迎チームを組織する役割も果たしています。また、彼らは北京の海外エージェントとしても華人社会を監視・脅迫している存在です。

 公開情報によれば、イタリアやスペインの中国マフィアのメンバーは、多数の秘密裏の海外警察ステーションの設立に関与しています。これらのいわゆる「海外110」は、中国人移民コミュニティの監視や海外の反体制派の迫害を行っているとされています。彼らはまた、中国共産党のスパイ活動にも手を貸しており、中国共産党はこれらの中国マフィアメンバーに「名誉ある賞」を与えているとされています。

 米国の国家安全保障当局の高官も、海外の中国マフィアが中国「当局」の支援のもとで、徐々に海外に浸透していることを明らかにしました。

 国際法学者の賴建平氏は、中国共産党と中国マフィアが直接同盟していることは、中国共産党政権が好ましくない発言をする海外のすべての華人、さらには外国人が報復の対象になる可能性があることを意味すると指摘しました。特に、反体制派に対する中国共産党の迫害は、これまで以上に厳しくなるでしょう。

 賴氏は、中国マフィアは非常に冷酷で、犯罪経験も豊富であり、一部は現地で長い間活動していると述べ、彼らは偵察能力が強く、警察や法的制裁を回避する手段を持っていると指摘しました。この事実は国際社会の関心を一層高めています。

 賴氏は、国際社会や海外華人が、中国共産党による迫害の重要性を十分に認識し、それに対して暴露し、抗議する勇気を持つべきだと主張しました。

 プロパブリカの報道によると、中国共産党によるヨーロッパでの組織犯罪の増加は、多くの国の政府が対応に手を焼いているとされています。中国共産党と中国マフィアとの結託は、地政学的な問題や汚職の問題としばしば絡んでいます。

 裁判資料によると、2010年にイタリアの華人コミュニティで発生した凶悪な殺人事件では、関与した主犯の一人が以前に中国での恐喝容疑で指名手配されていたにもかかわらず、彼は自由にイタリアから中国に自由に帰国できました。また、彼らのヨーロッパでの犯罪行為については、中国当局から何の取り調べも受けていなかったとされています。

 また、中国工商銀行がスペインのマドリードで起訴された事件では、同銀行の幹部が、犯罪者が昼夜を問わずユーロ入りの箱を同銀行に送りつけることができるシステムを構築し、偽の身分証明書や不正な請求書などという違法な手段を通じて数億ユーロを中国に送金していたことが明らかになりました。さらに、銀行の幹部はまた、犯罪組織の首謀者に対して、資金を中国に秘密裏に移動する方法をアドバイスしていたとされています。

 ここ1年間、ローマ・フィウミチーノ空港の警察は、総額4100万ドル以上の現金を持って中国に渡航しようとしていた16人の「運び屋」を逮捕しました。

 在米時事評論家の藍述氏は、「中国共産党は国家政権として、直接的に西側のこれらの犯罪組織と結託していることは明白である。なぜなら、これらの組織は西側諸国において違法であり、各国の司法制度や法執行機関と対立しているからだ」と述べました。

 中国共産党が西側のこれらの犯罪組織と直接提携することは、自ら西側社会を攻撃する犯罪組織と化し、国際犯罪組織の一員となることを意味すると、藍氏指摘しました。そのため、西側のすべての政府と法執行機関は、中国共産党を犯罪組織として扱わなければならなくなるでしょう。

(翻訳・藍彧)