江蘇省昆山県は経済が高度に発展しており、2005年以来16年連続で中国で最も裕福な県であり、中国で最も忙しい輸出中心の一つでもある。しかし、最近、昆山県は別の状況を呈している。多くの企業が人員削減し、従業員の給与と福利厚生を削減し、多くの労働者が失業した。

 昆山県の企業が打撃を受けた原因は2つある。1つは世界経済の見通しが悪く、中国への需要が減少していることだ。昨年10月以来、西側諸国のバイヤーは高インフレと景気の先行きに不透明感が強まっている中で、注文を減らした。そのため、中国の輸出(米ドルで計算)は5か月連続で減少している。

 英紙「フィナンシャル・タイムズ」26日の報道によると、注文の減少は労働力の過剰をもたらしたため、昆山県の多くの企業は支出を削減するほか、従業員を削減して、在職従業員の給与を減らしている。給与の3分の1を削減した企業もあるという。

 もう1つの原因は、緊張が高まる中米関系で、多くの外資系企業が工場を中国から外国へ移転していることだ。

 昆山県は上海から50キロ離れ、約100万人近くの人口がある。ここで輸出取引に従事する台湾企業は1529社に達している。「フィナンシャル・タイムズ」の報道によると、これらの企業は昆山県に多くの仕事を提供していたが、米中の緊張関係に影響を受けないよう生産ラインを外国に移転している。生産ラインの移転は昆山県労働市場の低迷を更に悪化させたという。

 昆山県にある物流グループの経営者であるジェームズ・ガオ(James Gao)氏は、「2023年第1四半期の出荷量が昨年同期比で少なくとも3分の1減少した。以前、ドライバーは駐車スペースを見つけるのも大変だったが、今は駐車場の半分が空いている」と述べた。

 ある匿名の地元当局者は「フィナンシャル・タイムズ」に、「経済急成長の時代はもう終わった」と述べた。

(翻訳・吉原木子)