点滴注射を受けっている農民(ツイーター動画のスクリーンショット)

 中国では、旧暦新年の帰省ラッシュを目前にして、新型コロナウイルスの感染者数が急増している。中国共産党(以下、中共)当局は海外旅行を解禁している中、一部の地方政府は「不要不急の帰省を控えて」との通達を出している。

 湖南省邵陽(しょうよう)市邵陽県公式ウィーチャット(微信、WeChat)アカウントは5日、「感染拡大を受け、不要不急の帰省を控えて下さい」との要請通達を出した。他に、陝西省商洛(しょうらく)市丹鳳(たんほう)県と黒龍江省七台河(しちだいが)市も同様な要請を出している。

 これらの件は議論を起こし、「ゼロコロナ政策を緩和してもしなくても帰省を控えろと言っているけど、政策緩和の意味は何だ」と、ネットユーザーからの不評が殺到している。

 ゼロコロナ政策を緩和してからの大規模感染は、既に中国農村部まで拡大している。しかし、農村部の医療資源の欠乏(けつぼう)により、農村部の農民たちはコロナ感染を「ただの風邪」として対応するしかない。

 ネットユーザーが投稿した動画を見ると、地面に横になって輸液を受けている農村部の感染者や、日光に晒されながら輸液を受けている農村部の感染者がいた。黒龍江省ハルビン市の農村部では、当地の衛生機構に薬品がないため、重症の患者は当地で治療を受けられず、県級以上の病院まで行って治療を受けなければならなかった。

 さらに、5日、ツイッターでの投稿によると、河南省駐馬店(ちゅうばてん)市の香山葬儀場では、ご遺体を積み重ねすぎたせいか、多くの遺骨が火葬が終わらないまま投げ捨てられている。死者に対する極まりない不敬であり人間味のない行いだと、ネットユーザーからの不評が殺到している。

(翻訳・常夏)