怪我したサッカー選手(Pixabay)

 不思議に満ちた世界のことです。アメリカの高校生がサッカーをしている時に頭を蹴られました。頭に致命的な打撃を受けた彼は数回、息を切らしていました。しかし、3日後に昏睡状態から目覚めた彼は、英語しか話せませんでしたが、人生で初めて流暢なスペイン語を話しました。いったい何が起こったのでしょうか?

 2016年、16歳のルーベン(Reuben Nsemoh)くんは、米国ジョージア州ギニー郡の高校に通い、学校のサッカーチームのゴールキーパーを務めていました。同年9月のある試合で、ルーベンくんはボールに飛びかかった時に、意外なことが起こりました。プレーヤーに頭を誤って蹴られたのです。

 ルーベンくんは強力な飛び蹴りで脳に重傷を負い、数回息を切らしていました。彼は重傷を負い、アトランタ医療センターに救急搬送されました。コーチはこの子が死ぬのではないかと心配しました。

 応急処置の後、ルーベンくんは3日間昏睡状態に陥りました。目が覚めたとき、ルーベンくんは英語が話せませんでしたが、スペイン語を流暢に話していました。ルーベンくんの母親は、息子が以前、スペイン語を話せませんでしたが、彼の友達はスペイン語を話すことができると言っていましたので、ルーベンくんはスペイン語に対する印象を持っていたかもしれません。

 事故後の数週間で、ルーベンくんは徐々に英語を話す能力を取り戻しました。流暢な2種類の言葉が話せていましたが、徐々にスペイン語は衰え始めたとのことです。

 実は、このような例は世界的にも珍しくありません。

 メディアの報道によると、2013年、オーストラリアの青年ベン・マクマホン(Ben McMahon、中国名は孟傑明)くんは自動車事故で負傷し、昏睡状態に陥りました。彼は目が覚めるまでに長い時間がかかりましたが、目が覚めた後、彼は突然流暢な中国語を話せるようになりました。その前に、マクマホンくんはフランス語と中国語を勉強していましたが、中国語を話すのはあまり得意ではありませんでした。

 マクマホンくんは、徐々に英語を話す能力が回復し、流暢な中国語を話す能力も維持できたので、中国文化への愛情が再燃しました。回復して退院した後、彼はメルボルンで中国からのツアーグループのツアーガイドとして働き、テレビの中国語トークショー番組の司会も務めていました。

 そのほか、アメリカの退役軍人がショックから目覚めるとスウェーデン語しか話せないことや、クロアチアの少女が昏睡状態から目覚めるとドイツ語が話せようになったことなど、これらのようなケースは世界で60例にも及びます。

 このようなの現象は「外国語アクセント症候群(Foreign accent syndrome)」の一種で、脳に重度の障害を負った患者によく見られます。患者が目を覚ますと母国語を外国語訛りで話し始めたり、母国語以外の言語を話します。

 さらに、脳に損傷を受けていない人にも同様な症状が発生する可能性があります。たとえば、催眠術を受け、「前世」を思い出す時に、いきなりなじみのない外国語や古代の言語を話す人もいます。

 これらの不思議なケースから見ると、脳の働きとその奥深さは本当にすごいとしか言いようがないですね!

(翻訳・宴楽)