ステファン氏(YouTube動画のスクリーンショット)

 米不動産投資家のグラハム・ステファン氏はこのほど、中国経済は「ほぼ全面的な崩壊」に近づいており、グローバルにも深刻な影響を及ぼすと述べた。

 ステファン氏は8月中旬、ツイッターやYouTubeで、投資家に対して中国経済への警戒を続けるよう警告を繰り返した。中国の富の7割は不動産と関連しており、米国の2倍だと指摘した。中国株式市場は不透明で信頼できないことで知られているため、中国国民は不動産への投資を好む。しかし、規制が不十分なため、デベロッパーが分譲住宅を売って莫大な利益を得る不動産詐欺が発生しており、これは非常にまずいことだ。

 ステファン氏は、中国経済が崩壊すれば、世界各国もその影響から免れることはできないと述べた。中国企業は経済危機の際に売却される可能性のある米国株を大量に保有しており、投資家の間で恐怖を引き起こし、さらに大量の株式売却の引き金になる可能性がある。そのため、短期投資家は中国からのニュースに細心の注意を払う必要がある。

 中国国家統計局が15日に発表した7月の国民経済運営データによると、都市部の16〜24歳の若者の失業率は19.9%となり、前月より0.6ポイント上昇した。一方、「ゼロコロナ」政策により、7月の中国経済は低迷し、工業生産、投資のほか、個人消費、若者の雇用、不動産などのデータから、全体的に景気後退を示している。また、中国の未完成物件の所有者による「住宅ローンの返済停止」騒動は現在、115都市に広がっている。中国の中央銀行も経済成長を刺激するために予想外の金利引き下げを行った。

 中国共産党も状況の深刻さを自覚している。李克強首相はこのほど、深セン市を視察し、6つの主要な経済省の主要責任者を集めたシンポジウムを開き、雇用の安定と国民の生活を守るよう改めて呼びかけた。

 米大手投資銀行であるゴールドマン・サックス・グループや野村證券は18日、今年の中国の経済成長率予想を再び引き下げた。ゴールドマン・サックスは今年の中国のGDP成長率の見通しを前回の3.3%から3.0%に引き下げ、野村證券は中国の経済成長率の見通しを3.3%から2.8%に引き下げた。これは、中国政府が当初設定した5.5%の目標を大きく下回っている。

(翻訳・藍彧)