米国務省の「2022年人身売買報告書」の表紙のスクリーンショット(米国務省の公式ウェブサイト)

 米国務省が19日に発表した「2022年人身売買報告書」には、世間を騒がせ、国際社会に衝撃を与えた徐州の「鎖につながれた女」事件が特筆されている。

 ラジオ・フリー・アジアによると、ブリンケン米国務長官が主宰する「2022年人身売買報告書」の記者会見は、過去1年間の世界188カ国・地域の人身売買への取り組みを評価した。2017年から6年連続で、イラン、北朝鮮、キューバなど21カ国と並び、中国がワースト3位にランクインした。

 また、今年初めに発生した徐州「鎖につながれた女」事件についても特に言及しており、国際社会に衝撃を与えつつ、中国における人身売買、特に女性や子どもの人身売買の劣悪な現状を浮き彫りにしている。

 中国婦女権益の創設者である張菁氏はラジオ・フリー・アジアに対し、世論は「鎖につながれた女」事件にこれだけ注目しているが、「鎖につながれた女性」は現在どこにいるのか? 彼女は誰なのか? 彼女はちゃんと安置されているのか? どの役人が責任を負うべきなのか? これらはまだ未解決だ。張菁氏は、以前から同じようなケースを何度も見てきたので予想はしていたが、そのたびに中国共産党の幹部は捜査するふりするが、結果は何も解決しないと述べた。

 国境なき女性の権利(Women’s Rights Without Frontiers)の理事を務めるレジー・リトルジョン氏は、ラジオ・フリー・アジアに対して、中国共産党の政権とそのシステムは無神論に基づいており、彼らは宗教を持たず、信仰を迫害していると述べた。「その結果、人は数字のように扱われ、価値のないもののように扱われる。中国共産党の利益になるなら、人を売り、人を搾取し、人を傷つけるのだ」

(翻訳・藍彧)