北京市政府(N509FZ, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 習近平氏は8日、四川省を視察中に「ゼロコロナ政策」を堅持し、苦労して得た防疫成果を強固なものにすると述べた。

 しかし、それからわずか2日後、最も重要な2大都市の北京と上海で感染が再拡大した。ゼロコロナ政策で経済不況が続いた場合、習氏は共産党に見放される可能性があるという専門家がいる。

 北京市衛生健康委員会は11日、10日の新規市中感染者が61人、上海市衛生健康委員会は11日、10日の新規市中感染者が16人確認されたと発表した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が6月12日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、北京市11日の新規市中感染者は65人、上海市11日の新規市中感染者は29人確認されたと発表した。

 北京市政府は、クラスターが発生したコミュニティ住民に対して継続的なPCRスクリーニング検査を開始し、市内のバー、カラオケ、ネットカフェなどの防疫検査を行うと明らかにした。

 一方、上海では浦東新区、徐匯区など十数区で11と12日に大規模なPCR検査が実施され、すべてのサンプリングが終了するまで閉鎖の対象となる。多くの市民はまたもや長期封鎖されるのを恐れて、スーパーマーケットに駆け込み、物資を買い占めた。

 中国共産党のゼロコロナとロックダウン(都市閉鎖)政策が、中国経済に深刻な影響をもたらしたため、社会から反対する声がますます高まっている。しかし、習近平氏は8日、四川省を視察する際に、「ゼロコロナの総方針を揺るぎなく堅持し、疫病予防・制御の重要業務を把握し、苦労して得た防疫成果を断固として強固なものにする」と改めて強調した。

 外界の分析よると、ゼロコロナ政策は、習氏が第20回全国大会で再選できる最も説得力のある成果の1つであるため、どんな代価を払ってもゼロコロナを実施し続ける必要があるという。 

 英キングス・カレッジ・ロンドン中国研究所所長のケリー・ブラウン氏は、かつてボイス・オブ・アメリカに対し、ゼロコロナ政策が中国の経済成長を5.5%以下に引き下げた場合、中産階級に不満と怒りを引き起こせば、社会動乱の勃発は不可能ではないと述べた。習氏は第20回全国大会後に再選される可能性が高いが、彼の政策で不況が続ければ、習氏は共産党から見放され、中国共産党とともに滅亡する可能性さえある。

(翻訳・藍彧)