ジェローム・A・コーエン氏(中華民国総統府, CC BY 2.0, via flickr)

 1989年6月4日の六四天安門事件から33年が経った。しかし、6月4日を記念することは、今日では依然として重要な意義があると考える専門家がいる。

 元法学教授で中国専門家のジェローム・A・コーエン氏は1日、ボイス・オブ・アメリカとのインタビューで、ロックダウンにより中国社会で不満が広がった後、第20回党大会の前に、6月4日はより一層記念する価値があると述べた。

 コーエン氏は、「現在、不安と不満を募らせている人々は、様々な方法で、武装警察部隊に許された限られた範囲内で自分たちの懸念や不満を表現し、現在よりも良い政府、良い未来を望もうとしている」「今日の中国における混乱は、エリート層でも大衆でも、特に20代、30代の若者の間で、政策を変え、全体主義的な支配を緩和し、中国における言論や運動の自由をもっと認めようという圧力が党内で生じていることを示している」と述べた。

 コーエン氏は、6月4日の記念日は、中国人に当時どのように圧迫されたかを思い出させ、中国の絶えず悪化する情勢を振り返るのに良いタイミングだと指摘した。

1989年6月4日、天安門広場で発砲しながら行進している中国人民解放軍(YouTube動画のスクリーンショット)

 中国共産党史の研究家である高文謙氏は、「鄧小平時代の民主化を求めるデモ隊に対する弾圧で安定維持とボトムライン思考の暴力モデルが今日まで続いているのは、暴力的な革命と敵対的な思考は、共産党の遺伝子であり、原罪であるからだ。毛・鄧・習の三代はいずれも、政治的ニーズから、人々の基本的な権利を恣意的に奪うことができる」とし、六四天安門事件と上海市でのゼロコロナがいずれも、人々の生存権を無視したものだと指摘した。

 高氏は「今年の6月4日を記念する特徴は、共産党の残虐な本質がより多くの人々に認識され、『我々が最後の世代だ』と叫びながら、中国からの脱出や先進国への移民が徘徊するほどになっている。これは、絶望した後の若い世代の心の底からの叫びと抵抗であり、心を揺さぶるものだ。ささらに注目すべきは、過去に新疆ウイグル自治区での強制収容所の建設や香港人への弾圧の際に、無関心だったからこそ、当局の行動が激化し、結果として自らの災難を招いたことに気づき、自らの経験を振り返って反省し始める人がますます増えている。これは、社会全体が目覚め始めている証だ」と述べた。

昨年6月、インターネットで拡散された「六四天安門事件」第2世代のスピーチ:

ドイツのカメラメーカーであるライカ(Leica Camera)2019年の広告動画:

(翻訳・藍彧)