成人の薬指のささくれ(Yasuhiro Yokota, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 新型コロナが流行し、頻繁な手指の手洗いや消毒が日常的になっています。それに伴い、手の爪の周囲の皮膚が乾きやすくなり、そこが部分的に裂ける「さかむけ」を患っている人も少なくないと思います。みなさんは、さかむけの部分を何かに引っ掛けたり、動かするたびに皮膚が引き裂かれたり、痛みや出血などのつらい経験をされた事はありませんか?

 実際、指先のさかむけの原因には、保湿の不足の他、多くの理由があります。

 まず、なぜ指先が「さかむけ」になるのでしょうか。その主な原因は皮膚の乾燥で、爪の周りの皮膚に裂け目ができてしまい、皮膚が浮き上がってしまいます。爪周囲の皮膚は、手の他の部分の皮膚とは少し違い、薄くて毛嚢が少なく、かつ皮脂腺がないため、より壊れやすくなっています。そのため、不十分な保湿に加えて、頻繁に手を洗うことや、手袋を付けないで皿や服を洗うこと、そのほか頻繁にネイルをやること、頻繁に球技をすることなどは、爪付近の皮膚を刺激し、皮膚が裂ける原因となります。それ以外では偏った食生活による栄養不良やストレスが原因で「さかむけ」になることもあるそうです。

 一般的な「さかむけ」は正常な新陳代謝によって治癒しますので、無理に引き剥がさないでください。無理に引き剥がすと、傷口が残り、出血したり新しいさかむけを誘発させたりするだけでなく、細菌感染による炎症や腫れを発生させる可能性があります。

 では「さかむけ」の発生を防止するためには、どうすれば良いのでしょうか。さかむけを防ぎたい場合は、手の皮膚を保護することに注意し、皮膚に有益な栄養を摂取することにも気を付ける必要があります。

 ここでは、さかむけの予防や対処する方法をいくつかご紹介します。

 1.ハンドクリームを塗る時は、指先にも注意!

 ほとんどの人は、ハンドクリームを手の甲に広く塗るだけで、爪や指先は無視してしまいがちです。実は、ハンドクリームを爪や指先にまで塗ることがとても重要です。また、爪先にワセリンを塗ることで、より高い保湿効果を得られます。

 2.刺激性の物質に触れる時は、手袋を着用!

 食器用洗剤や洗濯用洗剤などには、刺激性の物質が含まれており、手の皮膚に必要な油分をも取り除いてしまいます。食器や服を手で洗う時は、手袋を着用して手の皮膚を刺激性物質から保護する必要があります。

 3.皮膚に有効な栄養の摂取

 皮膚や髪を作るための栄養を積極的に取り入れることが大切です。特に、新陳代謝を活性化して潤いをおぎなってくれる「ビタミンA」、血行を良くする作用がある「ビタミンE」、爪や皮膚の健康を保つ役割がある「タンパク質」の3つを含む食事を摂りましょう。

 ◎ビタミンA:ほうれん草、レバー、にんじん等
 ◎ビタミンE:うなぎ、アーモンド、アボガド等
 ◎タンパク質:肉、魚、大豆、乳製品

 4.専用器具などによるさかむけの切除

 さかむけを手や口等で引き剥がすと、衛生的に良くないばかりではなく、痛みを伴い、出血したり、感染症になったりする可能性があります。さかむけが衣服等に引っ掛かりそうな時は、専用のハサミやキューティクルニッパーや良く切れる爪切りなどで、傷にならないように、さかむけの根元に沿って切って取り除き、自然に治すことをお勧めします。

 以上、さかむけの対処法を紹介しました。小さな「さかむけ」ですが、手洗いや消毒だけが原因ではなく、身体がストレスや栄養の偏りを訴え、助けを求める信号なのかもしれません。日頃の生活習慣を改善し、より美しく健康な体を手に入れましょう!

(翻訳・宴楽)