パキスタンのカラチ大学文学部オフィス(Nomi887, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 パキスタン南部の都市カラチ大学の構内で26日、ワゴン車が爆発し、中国人3人を含む4人が死亡、数人が負傷した。反政府武装組織「バルチ解放軍」が犯行声明を出した。テロ対策部隊が現場に派遣された。英紙インディペンデントの報道で分かった。

 現地メディアの報道によると、現地時間26日午後、カラチ大学孔子学院教育センター付近のワゴン車で爆発が起きたという。死亡したのは学院の中国人院長や教員だという。負傷した中国人と民間の警備員などが、現地の病院に緊急搬送された。

 カラチ警察局長のグラム・ナビ・メモン氏は、全身を覆う衣装「ブルカ」を着用した女性が自爆テロを起こした可能性があるとみて捜査していると述べた。

 警察のムカダス・ハイダー副警視総監は、この爆発は中国人を狙ったテロ攻撃である可能性があると述べた。バロチスタン解放軍は、バロチスタン近郊の過激派組織である。

 死亡した人の中には、大学の構内にある、中国語などを教える「孔子学院」の関係者が含まれていて、地元メディアによると、関係者が乗った車が孔子学院の建物に向かっていたところ、道路脇に立っていた女が身に着けた爆弾を爆発させたということ。

 爆発のあと、パキスタン南西部のバロチスタン州の分離独立を目指す武装グループが犯行を認める声明を出した。

 このグループは中国人を標的にすることで有名で、イムラン・カーン前首相の在任中に攻撃を強化した。

 パキスタンでは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に関連する大規模な開発が進められているが、中国に反発する武装グループによるテロが相次いでいて、去年7月にも北西部で爆発があり、中国人9人が死亡している。

(翻訳・藍彧)