北朝鮮が開発した大陸間弾道ミサイル火星14(Stefan Krasowski, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が25日、朝鮮人民革命軍創建90周年記念の軍事パレードで、核兵器のさらなる開発と軍事技術の近代化・高度化を一刻も早く実現することを演説した。

 国営の朝鮮中央通信(KCNA)によると、北朝鮮で25日夜、平壌の金日成(キム・イルソン)広場で行われた朝鮮人民革命軍創建90周年記念の軍事パレードで、金正恩氏が演説し、「どんな勢力であれ、我が国家の根本利益を侵奪するなら、我々の核兵力は第2の使命を決行せざるを得ない」とし、「核武力を最大速度で一層強化発展させるための措置を取る」と表明。「核兵器は国力の象徴であり、軍事力の基盤である。核武力はいつでもその使命を稼働できるよう徹底して準備できていなければならない」と述べた。

 韓国統一研究院のシニアフェロー、ホン・ミン氏は金氏の発言について、これまで核兵器の目的を抑止と防衛に限定していたが、核ドクトリンを変更し「先制使用」もあり得ると示唆した可能性があると分析した。

 報道によると、北朝鮮の「ウェイブライダー」弾頭を搭載した極超音速ミサイルや新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」などがパレードで展示されたという。

 韓国の軍・情報省は、北朝鮮がパレードで超音速ミサイル「火星8」や大陸間弾道ミサイル「火星17」、潜水艦発射弾道ミサイル(SMBL)など250以上の武器や装備を展示したと推測している。2万人の軍人が参加し、北朝鮮史上最大規模の軍事パレードと推定された。

 ラジオ・フランス・アンテルナショナルによると、米国と韓国の当局者が、北朝鮮の豊渓里核実験場に再建された坑道の様子が衛星画像で確認されたため、北朝鮮当局がまもなく核実験を再開するかもしれないと分析した。

(翻訳・徳永木里子)