サリバン米大統領補佐官(U.S. Institute of PeaceCC BY 2.0 via flickr

 ロシアがウクライナ侵攻を進めるための武器供与などの軍事装備支援を中国に要請していたことを13日、複数の米欧メディアが米政府当局者の話として報じた。

 フィナンシャルタイムズ紙13日の報道によると、ロシアはウクライナ侵攻の開始後に軍事・経済支援を求めた。中国が支援に回ればロシアの進軍が勢いづく可能性があり、ウクライナ軍の国家防衛を支援する欧米の努力を損ねる可能性があると、米政府が懸念している。

 米政府当局者によると、ロシアは侵攻が始まって以来、中国に軍事装備やその他の支援を求めてきたという。

 状況に詳しい別の関係者によると、中国がロシアを支援しようとする形跡があるため、米国は欧州とアジアの同盟国に警告しようとしているという。他の米政府当局者によると、ウクライナ戦争が3週目に入るにつれ、ロシアがある種の武器を使い果たしているようだという。米政府はコメントをしなかった。在米中国大使館も、コメントの要請に応じなかった。

 ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日、CNNテレビに出演し、「中国がロシアにどの程度の物的、経済的支援を行っているか注視している」と強調。「中国政府には、いかなる国であってもロシアの損失を穴埋めすることを許さず、米国は傍観しないと伝えている」と述べた。

 フィナンシャルタイムズによると、中国は自らをウクライナ危機における中立的な役者として描いており、ロシアの侵攻行為を非難することを拒否しているという。また、米国は中国の習近平総書記がプーチン氏に圧力をかける気配がないと見ている。両首脳は先月、北京で共同声明に署名し、北京・モスクワのパートナーシップを「天井知らずの友好関係」と表現した。両国の首都がより緊密に結びついているもう1つの兆候である。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、ロシアはが米国や欧州、アジア諸国から実施された広範な制裁措置による経済に与えられた打撃を相殺するために、中国に追加の経済援助を提供するよう要請したと、政府関係者が語った。

(翻訳・徳永木里子)