ノビコフ氏(Alexandrovna1, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 ウクライナ汚職防止庁(NACP)の局長であるノビコフ氏が10日、公開書簡を発表した。ロシアの汚職のおかげでウクライナ軍がロシア軍を容易に打ち負かせたとして、ロシアのショイグ国防相に感謝した。

 ノビコフ氏は書簡の中で、「ロシアがウクライナを攻撃するための資源などが、両国の国境に到達する前に盗まれたため、当庁はロシアのショイグ国防大臣の貴重な貢献に対して心からの感謝を表明する」と書いた。「ロシア国防省と軍隊の役人たちが、本来なら軍に使われるべき資金をロシアの納税者から横領することを主張している。これにより、民主的なウクライナの防衛をより容易にさせた」

 ノビコフ氏は、同書簡のさらなる説明を提供するために写真を公開した。ロシア軍の装備が立ち後れただけでなく、防弾チョッキの中身も紙板で満たされ、ロシア戦車の保護装置は卵を入れる紙箱で満たされていることが分かった。

 また、戦車は迷彩色を塗られるべきだが、ロシアの戦車は「明るい空色」の外観をしているため、ウクライナ側が簡単に認識して攻撃できるようになった。

 ロシア軍の期限切れの戦闘糧食問題をも見逃さなかった。「特にロシア軍に軍用食糧を提供してくれた人たちに感謝しなければならない。それらの軍用食糧の消費期限は2015年だ。食べ物が不足しているため、ロシア兵士がウクライナの村人に投降して食べ物を手に入れることさえあった」と書いた。

 ニューヨークタイムズはかつて、米国や西側諸国の当局者の話を引用し、一部のロシア軍の軍用飯(MRE、携行食)に「賞味期限2002年」と書かれていると報じた。

 ノビコフ氏は書簡の最後に、ロシア兵士に武器を捨て、許しを請うよう呼びかけた。

 最も重要なのは、ノビコフ氏のこの手紙が、ウクライナ政府が世論戦でロシアを破っていることを示しているではないかと、米メディア「ビジネスインサイダー」が報じた。

ウクライナ軍がロシアの戦車を攻撃している:

(翻訳・徳永木里子)