4日の北京冬季五輪の開会式で、聖火の点火者に、ウイグル族のジニゲル・イラムジャン選手(20)と漢族の趙嘉文選手(21)2人が選ばれたことは、政治的な意味合いを持っていると見られていた。
NBCは中継で「これは非常に挑発的な瞬間だ」と述べた。中国専門家のアンディ・ブラウン氏は「中国(共産党)が人権やその他の問題について耳を貸そうとしない」というメッセージを西側諸国に送っていると述べた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)6日の報道によると、欧米社会や人権団体が中国共産党(以下、中共)政権によるウイグル族への大規模な弾圧を非難している中、イラムジャン選手を聖火ランナーに起用したのは政治的な意味合いを持たせている。
同報道では、イラムジャンは5日のクロスカントリー競技終了後、10人以上の外国メディアの記者を1時間以上寒空の下で待たせたあげく、他の中国選手3人とともに取材に応じることなく急いで現場を離れたことを取り上げた。
その一方で、イラムジャンは中国公式メディアの取材を受けた。インタビューの中継とともに、彼女の家族が中継を見て歓声を上げている姿が流された。これはいかにも西側への「見せつけ」だと思われた。
新疆ウイグル自治区問題の専門家、メリーランド州のフロストバーグ州立大学准教授の馬海雲氏は、「聖火最終ランナーにウイグル族の選手を選ぶことで、中共はウイグル族への大量虐殺や迫害、少数民族の中国化に対する欧米の批判に応じようとしているが、あまり意味がないと思う。欧米にとって、中共がやっていることはほとんどショーだからだ」と述べた。
(翻訳・徳永木里子)