トルコの国営石油輸送会社ボタシュは現地時間18日、トルコ南東部カフラマンマラシュ付近で爆発があり、イラクのキルクークとトルコのジェイハンを結ぶパイプラインの原油輸送を停止したと発表した。悪天候で送電塔がパイプラインに倒れたことが事故の原因。

 ボタシュ社によると、爆発はトルコのカフラマンマラシュで発生し、ジェイハン港から約511キロメートル離れている。エネルギー市場がさらにひっ迫するとの懸念からアジア時間19日午前の取引では原油先物相場が急騰する場面もあったという。

 トルコ政府高官によると、パイプラインの稼働状況は通常の水準を回復した。爆発があった場所には2本のパイプラインが通っており、同国国営パイプライン会社ボタスはそのうち1本を利用し、もう1つの修理に当たっているという。

 石油の輸出元は、イラク中央政府と北東部を支配するクルド人地方政府である。同パイプラインはイラク北部で生産された原油をトルコの地中海沿岸港ジェイハンを経由して欧州に運ぶ重要なルートであり、昨年の送油量は日量45万バレル強だった。

 爆発のニュースを受けて、国際石油相場は18日にはすぐに急騰した。米WTI原油は2014年10月以来初めて86ドル超え、ブレント原油は89ドルの大台に近づいた。