抗議デモ(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中央アジアのカザフスタンで、燃料価格の高騰をきっかけに始まった抗議デモが大規模化し、政府が非常事態を宣言しました。

 カザフスタンの主要都市で4日、燃料価格の高騰に抗議するデモが開催され、一部地域でデモ隊と警察が衝突しました。

 現地メディアによりますと、デモは首都ヌルスルタンを含む10都市以上で行われたといいます。

 カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領の執務室は5日朝、同国の最大都市であるアルマトイと西部のマンギスタウ州での2週間の緊急事態を宣言しました。

 政府はアルマトイなどに夜間の外出禁止など非常事態宣言を出して事態の沈静化を図りましたが、デモは拡大を続けています。

 マンギスタウ州の液化天然ガス(LNG)の価格が1日から1リットル当たり16.02円(約60テンゲ)から32.04(約120テンゲ)に引き上げられました。価格の上昇は民衆の不満を呼び、抗議デモは2日、燃料価格の引き下げを求めてカザフスタン南西部で始まり、首都ヌルスルタンなどに飛び火し、各地に蔓延しました。

 マンギスタウ州政府は3日、LNG価格が1リットルあたり22.70~24.03円に調整し、4日には再び1リットル当たり13.35円に値下げしました。

 燃料価格が下がったにもかかわらず、抗議デモは終わらず、逆にエスカレートしており、民衆は政府との対話を求めています。

 ロシアのスプートニク通信社によると、トカエフ大統領は5日、大統領令に署名し、政府の辞任を受け入れたといいます。同日未明、トカエフ大統領はテレビ演説で、民衆に理性を訴え、法に違反した者は処罰されると強調しました。同時に、アルマトイ市とマンギスタウ州が5日午前1時30分から、19日0時までの緊急事態を宣言しました。

(翻訳・吉原木子)