A.T. カーニーのメンバーCrossroads Foundation P、CC BY 2.0 via flickr

 国際的な大手投資会社であるA.T. カーニーの年次報告書によると、新型コロナウイルス(中共ウイルス、COVID-19)の流行期間中、世界の主要多国籍企業は投資見通しについて消極的な兆候を示している。

 同報告書では、疫病の投資業界への衝撃は非常に大きく、この影響は予想以上に長期化する可能性があることを明らかにした。A.T.カーニーは、世界の投資規模が新型コロナの流行前の水準に回復するまでには、数年もかかるかもしれないと予想している。金融市場の回復には、保守的な予測で最大10年かかると予想される。その中で、投資家らはこれまで以上に慎重な姿勢で臨んでいる。今年の調査では、世界経済を楽観視している投資家は57%にとどまったが、2020年にはこの割合は72%にとどまっていた。

 このような状況下で、最も信頼できる投資先として、米国が9年連続で首位を獲得している。カナダは2位を維持、ドイツは3位。中国と香港はイタリアやスペインなどに投資対象として抜かれ、12位まで順位を落としている。 業界では、国際資本が先進国経済に注目していることを反映して、順位を下げた中国を除き、上位10カ国はほぼ横ばいであると指摘した。

 報告書はまた、現在、産業の自動化が加速しているため、中国のような市場は廉価の労働力の優位性を失いつつあり、投資家にとって魅力的でなくなることを意味する。さらに、企業は消費者市場の近くに生産を移す傾向にある。それに、中国労働力価額が上昇しており、このような傾向は中国政府が投資先として、より多くの魅力を得るのに不利となっている。

(翻訳・吉原木子)