アデリーペンギン(Stan Shebs, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 南極に生息するアデリーペンギンが、3000キロ以上離れたニュージーランドのクライストチャーチ市南郊の海岸で発見されました。

 英国放送協会(BBC)の11月12日の報道によると、ニュージーランド沖でアデリーペンギンが目撃されたのは史上3回目です。最初の2回の記録は1962年と1993年でした。

 バードリングス・フラットの海岸で迷子になったこのアデリーペンギンは、クレイアニメ『ピングー』にちなんで、地元住民に「ピングー」と名前を付けられました。

 ピングーを発見したハリー・シン(Harry Singh)さんはBBCの取材で、「最初はぬいぐるみだと思っていたが、その頭がいきなり動いたから、初めて本物のペンギンだとわかった」と言いました。

 シンさんがフェイスブックに投稿した動画では、ピングーが独りぼっちで道に迷っていたとみられる様子が伺え、「ピングーは1時間も動かなかった…疲れ切っているように見えた」とシンさんは語りました。

 シンさんは、ピングーがこのまま岸に留まっていたら、肉食動物に狙われてしまうと心配しましたので、ペンギンを救助している人に連絡しました。最終的に、ニュージーランドの南島で約10年間ペンギンの野生復帰事業を行っているトーマス・ストラック(Thomas Stracke)さんと連絡を取りました。アデリーペンギンは南極半島にしか生息していないため、ピングーがアデリーペンギンであることを知ったストラックさんは驚きました。その日の夜、ストラックさんは獣医師とともに救助に駆けつけました。

 血液検査の結果、ピングーは少し体重が減って、脱水症状を起こしていたため、輸液とチューブによる栄養補給が行われました。ピングーは今後、バンクス半島の安全な海岸で野生に戻されます。

 専門家によると、ニュージーランドでのアデリーペンギンの目撃例はまだかなり少ないとのことですが、今後、より多くの目撃例が出てくるようであれば、それは良くない兆候かもしれません。

 オタゴ大学の動物学教授であるフィリップ・セッドン(Philip Seddon)氏はガーディアン紙の取材で、「もし毎年アデリーペンギンがニュージーランドに現れるようになったら、海に異変が起きているかもしれない。このことを人々は知るべきだ」と語りました。

(翻訳・玉竹)